【日本の未来 Part2】外国人がこのまま増え続けたらどうなるかを予想してみた!
2019年9月24日火曜日
政府が行った在留資格の緩和については、みなさんご存知の方も多いと思いますが、今回はこの緩和に含まれた問題点とそれに繋がる企業が抱える問題点を取り上げてみようと思います。
以前は掲載した【日本の未来Part1】では、外国人が増えるとどのような現象が起こるかを、短期(現在〜10年後)の未来、中期(10〜20年後)という形で予測してみました。
政府が行った在留資格の緩和については、みなさんご存知の方も多いと思いますが、今回はこのビザの緩和に含まれた問題点とそれに繋がる企業が抱える問題点について、取り上げてみようと思います。
【日本の未来 Part1】はこちらから
1:ビザの緩和に含まれる問題点
政府がとりあえず手っ取り早く行ったビザの緩和
今の日本では『人がいない』『人材が足りていない』というのが、どの業界にも言えるテーマではあります。
その対策として、高齢者に働いてもらう、AIを使うことで労力に頼る仕事の部分を減らしていくなど、様々な対策があるうちの1つとして、外国人を増やしていくというのを、国は『一番手っ取り早い解決手段』とみています。
それにあたり、国も表向きにビザの緩和をおこなったりなど、外国人を日本国に入れるような表面的なことは実行していますが、現に企業への効果が実証されているかというと、そうではありません。また、外国人自体がその在留資格の緩和により取得者が増えているかというと、実際の増加量はほぼ横ばいです。
例えば特定技能の場合。法律だけが変わりはしましたが、かといって、実際のところ外国人を雇いたい企業の多くが人材不足の解消を実感できているかというと、そうではありません。
試験を受けられる外国人の人数は限られており、また採用候補の人がいるといっても在留資格を取得できないなど、まだ企業の人材不足を満足させられる段階からは程遠い現状です。
2:根本的な問題解決にはつながらない『人材のレンタル』
思うに、人口というのは一気に何千万人も減るのではなく、緩やかに減っていくものであり、これは結局病気と同じような現象といえます。
国自体はその状態(人口が徐々に減少する状態)に慣れてしまう。そして、『その状態から脱却しよう』『その状態を解決しよう』とするのではなく『その病気と付き合っていくしかない』という気になる。
外国人に関して1つ根本的に問題であるのは、やはり『言葉』です。
アジアの人はまだしも、ヨーロッパ、欧米、いわゆる高度人材が最も多くいる地域の人材は、何年日本に住んでも、日本語という言語を、なんの不便な思いもせずに使いこなせるというレベルまで持っていくには、なかなか難しいです。
また、ヨーロッパや欧米などの外国人が『日本に来て、日本に定着し、日本に骨を埋める』というのは、他の国と違って不可能に近いと言えます。アメリカに行く人たちはアメリカに将来的に残る、ヨーロッパに行く人たちはヨーロッパに残る、という方も多くいますが、日本に来る外国人たちは必ず国へ帰る、となると人材の育成というよりも、『人材のレンタル』のようなことをすることになってしまいます。
現に弊社の外国人も、国へ帰るという思いを『そもそも』持って日本にきている人が多くいます。今回政府が行った、人口減少による人手不足を補う『ビザ取得の緩和』も、違う言い方をすると『日本が外国人材をレンタルしやすくした』とも言えるでしょう。
3:結局いい思いができるのは『大企業』と『東京』
では、この『人材のレンタル』は日本のどの地域でも可能なのかどうか。
先ほど『国は人口減少を病気のように捉えることで、その病気を根本的に治すのではなく、どうその病気と付き合っていくかを考えるようになる』という表現をしましたが、企業にも同じようなことが言えます。
企業はだんだん人が減っていくということに慣れてしまいます。また、結局のところ外国人は大きい企業で働きたいという意思を持っている人が多くいます。
人材不足を一番実感している中小企業です。外国人はその中小企業で働きたいというよりも、大企業で働くための第1歩(踏み台)として中小企業でまず働く、もしくはビザの取得のために働くという外国人が多くいるため、中小企業に留まる人は多くいません。
このような理由も含め、大企業が結局一番困らないのです。
経団連などそういったところも大企業や上場企業の味方しかしないので、日本全体に本気で人を入れようともしていないし、国も本気では人を入れようとしていません。
また、東京に限って言えば外国人はこれから増えていくと思うし、人材に関する問題はないでしょう。反対に、地方はだんだん過疎化していき、だんだん人口も人材も減り、状況が悪くなっていくでしょう。
この状況に国が本気で『やばい、なんとかしないといけない』となるのが、おそらく日本の人口が8000万人を切るようなことが起こる時だと思いますが、その時は今と違って大企業の味方だけではなくて、本気でこの問題を解決しようとしている政府がでない限り、また根本的な解決を可能とする法律を作らない限り、病気は悪化していくだけであって、根本的に何も治りません。
日本よりも人口が少なくて、うまくやっている国もいくらでもあります。例えばスイス、ノルウェーなどありますが、日本との圧倒的に大きな差は、それらの国には高齢者は日本ほどおらず、子供の数がまだまだ多いということ。
なおかつ、日本はもともと産業に頼った経済をもっているので、スイスとも違うし、北欧とも全く違います。スイスは金融。もともと金融がすごく強い国です。他国を参考には(今は)できません。
4:まとめ
結局のところ、人口が減っていくということは基本的には『全てに対して困る』ということをいい加減理解して、今はまだそれこそ2%しかいない外国人を、いち早く20%くらいまであげないと厳しいのではと思います。
以前記事にもしましたが、日本の外国人の割合2.1%と過去最高になったというニュースがありましたが、海外の外国人の割合は、
ロシア 7.7%
スペイン 9.6%
フランス 11.1%
イギリス 13.2%
アメリカ 14.3%
ドイツ 14.9%
スウェーデン 15.9%
スイス 28.9%
香港 38.9%
このような割合になります。
関連記事:在留外国人過去最多263万人(外国人の割合2%) ところで海外での「外国人」の割合ってどれくらい?
Part1で述べたように、外国人が増えることにより発生する問題ももちろんありますが、この状況をどう判断し、どう対処していくか、今は外国人が日本に来た時に、日本に残る選択を取るような受け皿を作り、大企業のみならず中小企業にも解決できる道を切り開かないといけない段階なのではないでしょうか。