「敬語がカベ?」外国籍社員が感じる日本語のビジネス表現の難しさ
2025年6月12日木曜日
なぜ“日本語の壁”が話題になるのか

外国人材の採用が年々増加している今、日本企業にとって多様性のある人材の活用は成長戦略の一つになっています。少子高齢化による労働力不足も一因となり、外国籍人材の受け入れはますます重要になっています。2025年の大阪・関西万博、観光業の復活、さらには国際市場への展開など、グローバル対応はもはや避けられない時代です。
一方で、外国籍社員の定着率が思ったほど伸びない、職場にうまく溶け込めない、といった課題の声も多く聞かれます。その背景のひとつに「日本語のビジネス表現の難しさ」、特に「敬語」があるのではないでしょうか。
話せるだけでは足りない、“使いこなす”ことの壁
観光地や接客の現場では英語対応が広まりつつありますが、実際に日本で働くとなると「日常会話ができる」だけでは不十分です。ビジネスの現場では、丁寧な言葉遣いや相手への配慮を示す「敬語」が必須とされます。
敬語は、日本語を学ぶ外国籍社員にとって最大の壁の一つです。単なる語彙や文法の習得ではなく、場面や相手との関係性に応じた“適切な使い分け”が求められるからです。
実際に、ある海外のネット掲示板に投稿された日本語を学んでいる外国人の声には、以下のようなものがあります。
「日本でも若い人たちは、日常生活で本格的な敬語を使う機会が少ないように見えます。学校では丁寧語(です・ます)を使い、家族や友人とは砕けた言葉を使いますが、本格的な敬語に触れるのは就職してからがほとんど。だからこそ、日本人でも社会人になってから研修などで敬語を学ぶのです。」
つまり、敬語は日本人でさえ社会に出てから学ぶ“ビジネススキル”であり、外国籍社員にとってはさらに習得のハードルが高いのです。
加えて、外国籍社員は日本語の全てのレベル(カジュアルな話し方、丁寧語、敬語)を体系的に学ぶ必要があります。また、尊敬語(相手を立てる)と謙譲語(自分を下げる)の使い分けという「上下関係」を言葉で示す概念が、多くの言語には存在しないため、混乱を招く要因となっています。
投稿者はさらにこう述べています。
「敬語の中でも、尊敬語と謙譲語を混同して使ってしまう日本人もいます。でも日本語に慣れている分、ある程度対応できます。しかし、母国語に“上下の方向性”を表す文法がない外国人にとっては非常に難解です。」
特に欧米や中国語圏の出身者はこの「言葉による上下関係」の概念が薄いため、混乱しやすいのです。一方で、韓国のように似た敬語体系を持つ国の人たちは比較的対応しやすいとも言われています。

敬語を“教える”文化の導入を
では、日本企業として何ができるのでしょうか?
まず大前提として、「敬語を上手く使うのは誰にとっても難しい」という共通理解を社内に持つことが重要です。さらに、外国籍社員に対しては、日々の業務内で自然と敬語が身につくような環境づくりが求められます。
たとえば、
勤務時間内に週1回、社内ビジネス日本語レッスンを設ける
敬語に関するeラーニングの導入
先輩社員によるロールプレイ形式の指導
など、教育体制の整備が考えられます。
実際、外国籍社員の定着率を高めている企業では、入社初期からビジネスマナーや言語に関するサポートを重視しており、言葉の“間違い”を責めるのではなく、チャレンジを評価する社風が根付いています。
結論:言葉の壁を乗り越えるのは“企業側の工夫”から
外国籍社員が日本企業で活躍するためには、スキルや語学力だけでなく、「文化と言語の複雑な仕組み」への理解が不可欠です。そしてその理解を深めるためには、企業側の支援が重要です。
敬語のハードルは高いですが、それを理由に優秀な外国籍人材の採用をためらうのは非常にもったいないことです。敬語を“学ばせる”のではなく、“一緒に学ぶ姿勢”を企業が示すこと。これが、外国籍社員の定着と活躍を支える第一歩となるでしょう。
今後ますます進むグローバル化に向けて、日本企業にとって「敬語の壁」を乗り越えることは、優秀な人材確保の鍵となるのです。
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