【日本の未来】外国人がこのまま増え続けたらどうなるかを予想してみた!
2018年10月2日火曜日
「歴史は繰り返される」と言いますが、昔のヨーロッパで起こった現象、今のアメリカで起こっている現象が、一足遅れて日本にやってきているということです。
*この記事は2019年2月28日に更新されました。
『外国人の労働力は日本に必要ない』『外国人が増えると日本人の仕事が減る!』
このような声をたまにネットで見かけたりしますが、では実際外国人がこのまま増え続けたらどうなるか、日本の社会全体にどのような影響があるのかを予測してみました。
日本は純血でてきてる国です。2018年の6月の時点で在留外国人が過去最高の263万人となりましたが、その割合は日本の人口のたったの2%。
そしてその2割の在留外国人の半分近くが「2世」なので、立派な日本人として行動している人たちです。海外からわざわざ日本にやってきた人ではないということです。
他の国では、海外(アメリカ・イギリス・フランスなど)はだいたい人口の10%以上が外国人です。
実はこれらの国を見ると、これから日本がどうなっていくかが分かります。
なぜなら、今外国人の割合が多い上記のような国は、すでにこのような事態を経験済みだからです。
この先輩と言える外国人の割合が多い国を参考に、在留外国人がこれから日本に増えることで、どのような現象が起こるのかを予測して見ました!
①外国人が増えることで発生する「短期」の影響
日本の将来を予測してみると、まず1000万人くらいまでは外国人が必要になると思います。
その外国人増加により影響は「短期」の影響と「中期」の影響が出てくるでしょう。
ここでは2つ確実に起こる「短期」の影響を取り上げていきます。
1:「僕らの仕事が外国人に取られた」という声があがる
1つ目は、ちょっとでも失業率が上がった時に「僕らの仕事が外国人に取られた」という声があがります。
これはスペインがすごくいい例です。
スペインでは元々、スペイン人が単純労働と言われる「ウェイター、街を綺麗にするゴミ回収、ホテルの清掃」などを好まなかったため、全てを南米人に押し付けました。
(今の日本もこのような仕事に付いている人はアジア圏の外国人が増えてきています)
その後スペインでは2008年にリーマンショックが起こり、失業率が20%を超えました。
その時に、「仕事をわたしたちに戻してくれ」と言うスペイン人が多くいましたが、やはりそれまでに仕事を頑張ってやってきた南米人は、それを「譲ることができない」といい、1個の大きな社会問題になりました。
そこで動いたのが政治です。「外国人を減らそう」という党ができたりしたのです。
その後、今現在は結局外国人が減りました。それゆえ「外国人を減らそう」という行為も減りました。
これを読んであなたはどう思いますか?
スペインでひと昔おきた南米人を増やすという行為と同じく、まさに今の日本は単純労働に外国人をあて、技能実習という枠で在留資格を増やしている段階です。
2:事件が増える
2つ目は、事件が増えます。外からの人が増えると確実に、泥棒など不審者と言われる人が増えます。
それが起きるたびに世間から色々な声があがるでしょう。
沖縄がすごくいい例だと思いますが、沖縄人で日本人の犯罪者が出た場合と、アメリカ人の兵隊さんが何か1つ犯罪をした場合を想像してください。
確実にアメリカ人の兵隊さんが犯罪を犯した場合の方が、全国的なニュースになるでしょう。
日本人と外国人とでは、同じことをやったとしても、騒ぎ具合は同じではありません。
沖縄を例に出しましたが、このようなことが全国で起こり得ることになります。
これら2つが短期で世間に起こる影響です。
2つとも決して良いことが起こる内容ではないですが、企業に起こる影響でいうとまた別です。
②企業に起こる「短期」の影響
企業に起こる「短期」の影響には、良いこともあります。
短期の企業への影響としては、いろんな仕事が回せるようになること。
今は受注できていない案件が受注できるようになる、海外に対してもっと商品をうまく売れるようになる。
これにより、企業同士の競争力が確実にアップするので、日本全体の経済力が上がるでしょう。
社会にとっては悪いこと、チャレンジングなことが起こると思いますが、企業全体の向上や、さらに言うと、税金を日本で払う人が増えるなど、国益の部分で考えるとすごく良い影響を与えるでしょう。
③外国人が増えることで発生する「中期」の影響 中期:10〜20年後
中期で起こる現象としてまず、ハーフの子供達が出始めたり、完全に外国人の子供が出始めます。
そこで、日本の教育システムはそれに対応できるようなシステムにならないといけません。
今は『I am Japanese』でさえ、または『one two three』でさえ英語ができない子供が日本にはたくさんいますが、国としては今の段階から英語教育を必死こいて改善しないと、教育現場でも色々な問題が起きてしまいます。
「中期」の影響を例として2つ取り上げてみます。
1:教育現場で起きる問題:学校・先生の対応能力
この問題は、子供同士で起きる問題ではありません。
実際、先生が学校でいろんな宗教を持った人を扱わないといけなくなります。
それらの子は、宗教上で普通のご飯を食べられない子がいたりとか、礼拝、その他対応しなければならないことが出てきます。
実はこれはヨーロッパや、外国(日本以外の国)からしたらすごく当たり前のことで、「この子はハラルしか食べられない」などは外国では当たり前に対応していますが、日本には全くその対応能力がありません。
外国では学期が始まる前に、親が食べられないもの、その他必要になってくるもの、などを学校側に伝えて、学校はそれに対応したものを給食で出し、対応します。
日本にどの国の人が入るかにもよってきますが、絶対にこれは通らないといけない道です。
2:「外国人を減らそう」問題が起こる
上記であげたような宗教に関すること以外でも、様々な社会問題が出てきます。
働き手が足りていない今の日本で、政権は「とりあえずの人」を増やそうとはしているけど、おそらく10年後に、「外国人を減らしたほうがいいんじゃ無いのか」と訴える党が絶対に出てくると思います。
10年後にどのような党が日本の政権を握っているのかはわからないですが、これは確実に野党が言い出すものです。
現に外国ではそうでした。
どの国でもそうですが、「人を減らそう減らそう」と言って世間のストレスが大きくなると、その時点で政権が交代したりすることが多いです。
ここですごく良い例がアメリカです。そうです、トランプです。
トランプは「移民を減らそう」と言って、政権をとりました。「メキシコで壁を立てる」なんて言って見たり......。
「歴史は繰り返されると言います」が、昔のヨーロッパで起こった現象、今のアメリカで起こっている現象が、一足遅れて日本にやってきているということです。
④「短期」「中期」に起こる影響に対して、今のうちから絶対的にやるべきことは?
昔のヨーロッパで起こった現象、今のアメリカで起こっている現象が、一足遅れて日本にやってきていると言いましたが、ヨーロッパやアメリカと日本では違うこともあります。
それは日本特有といっていいほどの「日本らしさ」。
日本はあまりにも純血が多く、全てにおいて日本の文化が日本らしさで固められています。
この国には外からのモノを入れようがありません。
クリスマスなど、少しだけ日本に入っているものもありますが、仕事・文化・振る舞い・言葉などは日本独特のものがあります。そこに外国人を入れると言うことには、チャレンジが必要です。
それに日本が対応できるのかは疑問ですが、対応するために絶対的に必要と言えるものあります。
それが先ほどあげた『英語教育の強化』。
英語教育が強化され、今生まれる子供たちが20年後にある程度この問題を対応できて入れば、全てが少しは楽になります。
ただ、今現在でも以前より英語教育の強化はされていますが、強化の仕方が間違っているからかわかりませんが、実際の日本人の英語能力は上がっていない。
国自体が英語教育をどう強化していいかがわかっていないのかもしれません。
⑤在留外国人が増えることを、「日本の強み」にするためにはどうすればいいか
最近政府が「外国人の枠を何万人増やしました」や「技能実習生の制度を申請しやすくしました」など言っていますが、これは全て目の前の問題を解決するための対策です。
『では20年後どうなのか?』に対しては、誰も考えていません。
なぜなら、今の政権を握っている人たちは、20年後にはもういないからです。
政府の人たちも、先のことまでは考えてはおらず、「目の前のことをクリアにしたらいい」という考えで動いているのでしょう。
それでも増え続ける外国人に対応する国づくりをしなければなりません。どうしたらいいのでしょうか?
ポイントは「産業の強化」「物価をあげる」この2点です。
1:訪日外国人増加もいいけど日本の産業を強化する。
訪日で外国人を呼ぶのと、日本に在留させるのでは全然重みが違います。
基本的に今日本は観光国家になろうとしていますが、観光がメインの産業になる国は、正直危ない傾向にあります。(例としてキューバ、スペインなど)
なぜならば、なにか問題があって観光客が来なくなったとき、経済を支えるものが無くなるからです。
(前回の台風での、関西国際空港の問題みたいなものの国バージョンと思っていただけるとわかりやすいかもしれません)
世界には観光と産業が2つとも盛んに行われている国があります。
基本的に4つ。
・イタリア
・フランス
・アメリカ
・中国
反対に、観光に頼り過ぎている国、例えばブラジル、スペイン、メキシコなどは今は経済が厳しい現状に陥っています。
日本は今の時点ではまだ、観光・産業、2つとも強いと言えますが、今のうちに産業に投資する必要があります。
正直今の日本の観光客の増加は、政府が『インバウンド!!!!!』と言って頑張って作り上げたものではなく、単に航空が便利になったからであり、20年前と比べても飛行機に乗りやすくなったこと以外は、大して変わっていません。
在留外国人が増えることで、企業の競争力があがり、国益は上がると思いますが、それを産業の強化に繋げることは絶対的に必要なことです。
2:物価を高くする方向に国全体で頑張る。
給料、ホテル、全てですが、日本の物価は全てとても安いです。これは正直よく無いこと。
物価が高くなることに対して、抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、産業が強い国は物価が高い。そして給料も高い。
やはり産業を強くして、物価を高くしていかなければなりません。
(参考:世界の平均給料ランキング)
⑥まとめ
日本はやはり、在留外国人、高度人材を増やす上で、その高度人材が日本に来た時に、日本に残る選択を取るような受け皿を今は作らないといけない段階です。
そのためには、「英語教育に力を入れる」「企業に対して支援をする」ということを、国は徹底していく必要があります。
上場企業では、東証から全ての企業に女性を入れるように指導が入り、今は女性を増やした企業を国が支援したりしてますが(それこそ取締役会に女性がいる企業にいろんなアドバンテージがあります)、企業として外国人の社外取締役をいれるなど、外国人を入れている企業になにかいいアドバンテージを与えるなど、その手法を外国人の数に対しても使っていくのも1つの手立てかもしれません。
そして、外国人を受け入れる準備をし、それを日本のプラスに持っていけるように、日本全体で頑張る必要があります。
今から準備をすれば、上記であげたような
『歴史は繰り返されると言いますが、昔のヨーロッパで起こった現象、今のアメリカで起こっている現象が、一足遅れて日本にやってきている』
ということも、違う方向にいくことも十分予測できます。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である