英語が「できる」日本人を雇用する際のポイント
2019年1月12日土曜日
企業が英語ができる日本人を雇用する際、 TOEICなどの試験の点数で英語力を評価するということには、大きな間違いがあります。
*この記事はイザナウを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
日経新聞がこのような記事を出していました。
この記事の内容は、厚生省は4月からの外国人労働者いけ入れ拡大に向け、外国人の労働相談窓口の増設の検討を進めるが、多言語での対応を担う人材不足が壁になっている、というもの。
最近はどのニュースにも人材不足という言葉が出てきますが、外国人を雇い、日本が国際化して行く中で、
外したくても外せない課題というのが「言語」です。
イザナウというネット上でも、日本企業は英語で会社登録をしてもらうように促していますが、まだまだ英語を当たり前に使う習慣が無い日本企業が多く、英語に対する隔たりが大きいように思います。
【日本語・言葉の壁はどうするの?】外国人を雇う【株式会社アクティブゲーミングメディア代表インタビュー!】でもとりあげたように、やはり日本企業と外国人労働者の間で一番の壁となるものが「言葉」です。
上記の記事では、初めて外国人を雇う企業は日本語を話せる外国人を雇うということを強くお勧めしましたが、それでもそれよりも先に、「英語が堪能な日本人を1人でも入れておきたい」というのが、企業の本音ではないでしょうか。
弊社は社員130人の中、60%が外国人で成り立つ会社です。これだけ国際人に囲まれている会社でも、
実は英語を使えても使いこなせている日本人は少ないということをポイントに、
今回は「英語を使える日本人を雇用する際のポイント」という点に目を向けてみようと思います。
①英語ができる日本人を雇用する際の選ぶ秘訣
以前の記事「職場で使う英語の学習法」でもあげましたが、企業が英語ができる日本人を雇用する際、
TOEICなどの試験の点数で英語力を評価するということには、大きな間違いがあります。
理由は、点数が良くても、英語を「使う」ことができない人がほとんどだから。
これは逆のパターンも言えることですが、
外国人でも日本語検定試験でいい結果を残している人でも、日本語が使えない人が多くいます。
(またさらに、外国人で英語が母国語では無い人では、英語も使えない人もいます)
外国人では面接時、日本語と英語両方の会話と筆記のチェックを行わなければいけないように、
日本人の英語能力の会話と筆記、両方のチェックをしなければなりません。
さらに、日本人の英語力をチェックするには、英語が堪能な人が監督に入る必要があります。
②正直、日本人に英語を習得させるより、外国人に日本語を習得させる方が断然早い【経験談】
これに関して
「え?!」
と思う企業の方もいるかもしれませんので、少し弊社の例を出してご説明していきたいと思います。
まず私の故郷であり、弊社にも多数出身者が在籍する地域のヨーロッパでは、
日本のように島国ではなく(イギリス以外は)国境がなかったりします。
国境があったとしても、簡単に行き来できるようなシステムになっているので、いわゆる
「国際人」と言われる人がとても多いです。
そのような地域には、多言語を話すことができ、お互いの文化を理解している人がとても多いですが、
日本というと2世はやダブルでない限り「国際人」と言える人はとても少ないという現実があります。
それゆえ結局
「私は英語ができます」
「TOEIC980点持ってます」
などと言っても、蓋をあけてみたら全く実践として使えない英語であったり、読み書きはある程度できたとしても、会話としてなりたたない英語であったりします。
面接の時点で、その人がどれだけ実践で使える英語能力があるかを見極めることがとても大切です。
ここで一つ問題になってくるのが、
「国際人ではない人が、国際人を見極めることがほぼ不可能に等しい」ということです。
面接官となった人が、英語が堪能でなければその英語が正しいかどうかも判断できないので、
求職者の英語能力判断がTOEICなどの試験での点数になってしまうのです。
結局実践で使える英語能力を持っていない人を雇用したとしても、英語分野以外での力は発揮してくれるかもしれませんが、
一番肝心な「英語」を必要とする分野では使えない、ということになってしまいます。
これの解決策は1つしかありません。
外国人を雇ってみる。
弊社での経験談ですが、弊社にも英語が使える日本人は多少いますが、決して流暢な英語ではありません。
また、日本人が英語を流暢に話せるようになるよりは、外国人が日本語を話せるようになる方が、圧倒的にスピードも早く、短期間で習得します。
わかりやすい例を出してみると、日本で活動する外国人のタレントでも、日本語が本当に上手い人がたくさんいます。
ただし、海外の映画などに出てる日本人タレントや、スポーツ選手でも、正直英語が流暢な人は少ないのが現実です。
一つだけ例外を言えるとすれば、英和翻訳。
これに関しては、英語能力がある日本人が必須となりますが、
これも強いて言えば、日本語がある程度できる外国人に日本語へ翻訳のベースをおこなってもらい、その後日本人が正しい日本語に修正するという段階を持った方法が一番と言えます。
③まとめ
「結局外国人が必要って言ってるだけやん」
とお思いの方が多いと思いますが、日本語ができる外国人がいるといないとでは、まったく従事可能な案件の幅が違います。
ただし、英語能力のある日本人を雇用することも間違いではありません。
雇用の際は上記のことを念頭に、試験での点数だけで判断するのではなく、
海外生活があるのかどうか、実践英語が使えるのかどうか判断するために、英語能力のある人が雇用するか否かを判断するということを忘れずにおこなうことをオススメします。