日本は世界92位!G20の中でも英語力ワースト2位の現実
2025年1月30日木曜日
なぜ、日本の英語力が低いのか?
現状の課題
EF試験を受験した成人の英語力の平均を表したEF EPI英語能力指数によると、日本は116ヵ国中92位と、低い順位に位置しています。なぜ日本の英語力が他国に遅れをとっているのでしょうか?
1. 世界の中での日本の位置
EF EPIのデータによると、アジア諸国全体で英語力が低下している中でも、日本は特に遅れをとっています。同じアジア圏では、シンガポール(3位)やフィリピン(22位)が高いスコアを誇る一方で、日本のスコアはわずか454ポイントにとどまっています。
データハイライト:
シンガポール(609ポイント)は、教育政策や英語を日常的に使う環境が整備されている。
日本は他のアジア諸国(例:韓国523ポイント、中国455ポイント)とも僅差で、低順位に位置。
2. なぜ日本の英語力が低いのか?
教育政策の問題
日本の英語教育は文法や読解重視で、実用的なスピーキングやリスニングが軽視されています。また、入試制度が英語力の測定を特定形式に限定していることも要因です。受験生は入試のために特定の形式(選択式の問題や穴埋めなど)に適応するよう学習を進めるため、実際の英語使用場面で必要なスキル(スピーキング、発音、即時の理解)が軽視されがちです。
使用機会の少なさ
日本では、英語を使う環境が非常に限られており、これが英語力向上の大きな障壁となっています。特に地方では、英語を話す必要性がほとんどなく、日常生活や職場で英語を使う機会が極めて少ないのが現状です。
例えば、観光業や一部の国際企業を除けば、英語を話す環境に遭遇することは稀です。また、多くの企業が国内市場を主軸にしているため、社内での業務も基本的に日本語で行われています。結果として、「英語を学ぶモチベーションを維持できない」という問題が生まれます。
さらに、テレビ番組や映画の多くが吹き替えで放送されるため、英語に触れる機会が制限されています。他国では、字幕を通じて英語を学ぶ文化が浸透しているのに対し、日本ではそのような習慣が根付いていないため、リスニング力や発音の自然な習得が難しくなっています。
文化的要因
日本人特有の文化的背景も、英語学習を妨げる要因となっています。特に「間違えることへの恐れ」は、英語学習において顕著です。日本では、「失敗を避ける」という価値観が強調されるため、発音や文法の間違いを恐れて発言を控える傾向があります。
加えて、「完璧主義」も日本の文化に根付いており、話す前にすべての文法や単語が正確である必要があると感じる人が多いです。この姿勢が、英語を使うことへの心理的ハードルを高めています。
また、発音に関しても「恥ずかしさ」を感じるケースが多く見られます。例えば、カタカナ英語の影響で、ネイティブの発音に近づける努力が「気取っている」と見なされることがあるため、自然な発音を練習する機会が減ってしまうのです。
3. 他国に学ぶ:英語力の高い国々の特徴
シンガポールの成功例
シンガポールは、EF EPIで3位を記録しており、その英語力の高さは世界でも注目されています。その成功の背景には、以下の要因が考えられます:
幼少期から英語を第一言語として使用
シンガポールでは、英語が公式言語の一つであり、学校教育や行政、ビジネスの場で広く使用されています。幼い頃から英語に触れる機会が多いため、英語を自然に身につける環境が整っています。教育制度が英語の実践的な使用を重視
学校では、英語で授業が行われ、実生活で使えるスキルとしてスピーキングやライティングが徹底的に鍛えられます。また、学内でのディベートやプレゼンテーションの機会も豊富で、実践的な英語力を養うカリキュラムが組まれています。多文化社会の強み
多様な民族が共存するシンガポールでは、英語が共通言語として用いられ、コミュニケーションの基盤となっています。この社会環境自体が、英語力の向上を促しています。
ヨーロッパ諸国の取り組み
オランダ(1位)やスウェーデン(4位)といったヨーロッパ諸国も、英語力の高さで知られています。これらの国々では、次のような施策が成功を後押ししています:
日常生活での英語への自然な触れ合い
オランダやスウェーデンでは、映画やテレビ番組が吹き替えではなく字幕付きで放送されることが一般的です。これにより、日常生活の中で自然に英語のリスニング能力が鍛えられます。多言語教育の普及
これらの国々では、多言語教育が浸透しており、英語以外の言語も積極的に学ばれています。複数の言語を学ぶ習慣が英語学習にも好影響を与え、早期からの外国語教育が当たり前となっています。英語を使う環境が当たり前に
国際的なビジネスの現場や観光業で英語が使われるため、英語力がキャリアの成功に直結することが理解されています。これが、学ぶモチベーションを支える大きな要因となっています。
4. 改善に向けた提言
政策レベル
学校教育でのスピーキングとリスニングの強化
日本の英語教育は文法と読解に偏りがちですが、シンガポールやヨーロッパ諸国に学び、スピーキングやリスニングを重視したカリキュラムを導入することが求められます。例えば、小学校低学年からスピーキングを中心とした授業を行い、実生活で使える英語力を育てる必要があります。
社会レベル
英語を話す機会を増やすための環境整備
企業内での英語公用語化の推進や、地域コミュニティでの英会話クラブの設立が必要です。例えば、自治体主導で外国人観光客向けのガイドボランティアを育成し、地元住民が英語を使う場を増やす取り組みが考えられます。観光やサービス業での英語使用促進
訪日外国人観光客が増加している中、観光地やホテル、飲食店での英語対応を強化することが重要です。これにより、英語力が「即戦力」として必要である意識を社会全体に広めることができます。
個人レベル
「間違いを恐れない」姿勢の醸成
英語学習者がミスを恐れず、積極的に話す文化を育てることが大切です。例えば、学校や地域で「間違いを歓迎する」イベントを開催し、英語を楽しく学ぶ機会を提供します。英語を楽しむ学習方法の推奨
ポッドキャストや映画鑑賞、オンライン英会話を活用し、英語を学ぶ楽しさを見つけることがモチベーション維持に繋がります。特に、日本文化に関心を持つ外国人との交流を通じて、英語を「実際に使う」経験を増やすことが効果的です。
5. 英語を必要とする時代の到来
これまでの日本では、仕事でもプライベートでも英語を使う機会がほとんどありませんでした。しかし、少子高齢化による人材不足の問題が深刻化する中、状況は大きく変わりつつあります。さらに、近年では訪日外国人観光客が急増し、観光業やサービス業を中心に英語を必要とする場面が増えています。
例えば、観光地や飲食店では、外国人顧客への対応が日常化しており、英語でのコミュニケーション能力が業務の効率化や顧客満足度向上の鍵となっています。また、グローバルな市場競争が進む中で、多くの企業が海外取引や国際プロジェクトへの対応を求められています。
こうした背景を踏まえると、日本人が第二言語として英語を本気で取り入れる必要性は、これまで以上に高まっていると言えるでしょう。英語力は、単なるスキルではなく、新しい時代を生き抜くための基盤となるものです。
結論:未来への展望
英語力は日本の国際競争力を高めるだけでなく、個々のキャリアや人生の選択肢を広げます。データが示す現状を受け止め、政府、教育機関、社会全体が一丸となって取り組むことで、明るい未来を築くことができるでしょう。
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