外国人取扱説明書 第5回 〜初めて外国人の部下(新人)を持つ〜
2018年6月14日木曜日
外国人には日本人とは違った素質がある。外国人の部下(新人)と接するときの注意点をまとめてみた
最近、政府の方針にしても、様々な企業の方針にしても、外国人のワーカーを積極的に日本に招く動きがあらゆるところで見える。日本の人口が減って行く現状を見ると、外国人のスタッフを会社に迎え入れることは厳しい採用市場に勝つ唯一の手段である上に、自社の商品力をあげるチャンスでもある。
しかし、100%日本人でできた組織に外国人を入れてしまうと、様々な化学反応が起きる。今回は、中級のマネージメントが初めて外国人の部下を持った際に直面する問題を以下の3点に絞って説明してみようと思う。
外国人を部下に持った際の問題点
① 外国人は、主張が激しい割には任務を実行してくれない
② 外国人は、会社のスケジュールよりは自分の休みの方が優先する
③ 期待していた割には、即戦力にならない
①外国人は、主張が激しい割には任務を実行してくれない
もしくは、『言うことを聞いてくれない』と書くべきだろうか。
これには理由が3つある:
外国人は自分のアピールをしっかりするような教育を受けてきている。学校からも『就職したら目立つように努力しなさい』、『周りに負けないように自分の意見だけははっきり主張すること』と、若い頃からインプットされている。
組織を理解していない。同じタイミングで入社した日本人に比べたら、外国人は組織おろか、自分が配属された部署の仕組みや立ち位置を理解していないことが多く、期待されている役割をわからないまま毎日仕事をすることが多い。
アルバイトをしたことがない方が多い。日本では誰しもアルバイトで働いた経験がある。これによって上司との関わり方や、まず、『言われたことをきちんと、真面目にこなす』ことを覚えるが、『外国では大学を卒業した自分は、それだけ立派なプロフェッショナルである』と感じてしまう人が多い。したがって23歳で社会人となっても、仕事の基本的な常識をわからないケースが多い。
これらの理由で、初めて外国人の部下を持った上司が『言うことを聞いてくれない』と愚痴をすることが多いが、この問題を直す、もしくは軽減する方法はある。それは、外国人の部下に『何を求めているのかを、はっきり説明すること』である。これも、一度ではなく、浸透するまでに繰り返し説明しないといけないが、さらに、何を求めているのかだけでなく、『何のために』求めているのかを説明すると、外国人の部下もその方針に向けて仕事をようになる。
②外国人は会社のスケジュールより自分の休みの方を優先する
『大事な展示会があって、海外のお客さんも来るので参加して欲しいと言うのに、父の日だからと言って休みを取られた・・・』。このような不満はよく耳にする。弊社も外国人の比率は60%を超えているのでこのような問題に何度も直面しているが、会社としてどうしても外して欲しくないイベントを事前に共有しておけば、この問題を大概避けられる。
海外では、充実したプライベートタイムがあってこそ仕事に打ち込めると言う考え方は浸透しているが、多くの外国人は、日本の組織では理由もなく振り回されることがあると感じている。特定のイベントや打ち合わせに参加して欲しい理由を説明してあげれば、仕事を優先してくれるケースが多い。
③期待していた割には、即戦力にならない
『特定の市場に侵入する計画があって、その市場に詳しい外国人を雇用したのに、結果を出してくれない・・・』。
仕事とは、挑戦の連続で、実に難しいこと。日本人でも結果が残しにくいのに、外国人だけは不条理なぐらい即戦力になってくれることを期待されていると感じてしまうケースが多い。新入社員は最初、研修を受けないと仕事ができないように、外国人を雇用した際に戦場に送り込む前に仕事をイロハをきちんと伝えないといけない。
したがって、上記の問題の全てを考えると、
外国人の部下を初めて持った際に、まずはコミュニケーションと情報共有を重視するべきではないだろうか。
このような記事を書くと、外国人の労働者は全く使い物にならないと思われるかもしれないが、外国人にも独特なアドバンテージがある。
外国人雇用のアドバンテージ
* 日本人に比べたら考え方が柔軟である。難しい問題を簡単に解決する能力ある
* 上司に遠慮することなく、自分の意見が言える
* チャレンジ精神が強い(そもそも、日本という異国で頑張っているぐらいだから)
* 外国語が話せるから、海外市場のリサーチなど、日本人ならハードルの高いタスクを、簡単にこなせる
ただ、こちらの能力を発揮させるには、徹底的に上司からコミュニケーションを行わないといけない。
外国人の部下は与えられたミッションを達成してくれるかどうかは、全て、上司の腕しだいだから。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である