外国人取扱説明書 第3回 〜外国人と日本の職場環境〜
2018年5月12日土曜日
「働く環境」は外国人が会社選びをする際の最も重視する判断基準の一つ。我が社も、いい環境にしよう!
改善不可能である劇的な人材不足が起きている日本の会社では、数少ない人材を獲得するために邁進している。自社はどれだけ魅力的な会社なのか、入社後にどのようなメリットがあるのか、説明会や企業紹介では各人事担当が必死に説明しているだろう。
これから人材不足を解消する為に、外国人労働者に頼らざるを得ない時代は遠く無いが、外国人が会社に対して魅力を感じるところは日本人とは大きく違う。
例えば分かりやすい例として、外国人労働者は退職後のメリットに興味がないこと。そもそも日本で年金を払っていない人間や、退職した後にまで日本に住み着くつもりのない人間は退職金に興味がない。それよりも高度外国人材が、入社後に最も気になる条件の一つは、毎日の働く環境そのもの、もしくは『ちょっとしたベネフィット』・・・例えば、バケーションの際に国へ帰る飛行機のチケットのサポートをしてくれるかどうか、などだ。
日本の企業からすれば、これは考えられない。しかし外国人からすると伝え方によっては40万円のボーナスより20万円の飛行機チケットを払ってくれる方が良く感じる社員も存在する。なぜなら、自分を大事にしてくれる会社だと思うからだ。
ちなみに高度人材でエキスパートを雇用している様なヨーロッパの大半の企業は、福利厚生として高度外国人材に年に一度国に帰るチケットを支払っている。
しかし、会社の規模によってそれが無理なこともあるだろうが、外国人の入社前の最も重要な判断基準の一つはどこにあるのかというと、それはやはり職場の環境にある。
日本の大手企業はここ数年とても改善はされてはいるが、食堂やアクティビティなどが充実した北欧、欧州と比べると全く比にならない。それ故、そのような充実した環境で育った人たちは、日本に来た時に職場環境があまりにも厳しいと感じる人が多い。
いわゆる「会社は仕事をするだけのところなんだよね」と思ってしまう。だいたい、外国人は日本の職場環境に関して持っているイメージは、こんなものだ:
それに比べて、北米のIT企業では会社の中でピンポンやビリヤードを出来たり、いわゆるレジャー、遊べる環境でさえも準備されている。私がかつてスペインで働いた会社では、ビールサーバーがあり夕方20時以降に社員カードを通せば、生ビール1杯が飲めるというサービスがあった。(人事部は各社員が飲んでる量も見られるし、優良社員もしくは追加のビールを希望する社員はさらに飲むことが出来る様な仕組みもあった。)これは会社にとってほとんど費用のかからないことだが、若手社員からすると「いけてる会社」だなと思う。
その他にも、この会社では社員の誕生日に人事からケーキを渡していた。130人ほどの会社だったが、2日に1度は誰かの誕生日を祝い、これは結束にも繋がる10分間だった。「まずは仕事」というのが日本の企業の一般的な考え方だと思うし、それは間違ってはないと思う。ただ、60万円のボーナスを払う予定だとすると、それを50万円のボーナス、残りの10万円は福利厚生に回した方が、外国人社員としては会社からの気持ちを感じるし大事にされていると思い、会社を続けたいと思う要因にもなる。
このような環境と仕組みに投資すると、社員が「自分の会社はこんなにいい会社」と言える様になり、さらなる新しい高度外国人材を取りやすくなる。
例えば:
日本で生活するにあたっての日本語のサポート、例えば税金の払い方の説明、運転免許の取得の説明
週末に周辺に旅行できる様な招待券
家族がいる場合は家族が会社見学できるシステム
金曜日や祝日前に早退できるシステム
このように会社の状況に影響を与えないが、『なんていい会社なんだ』と外国人が評価してくれる様なことはたくさんある。今後外国人を雇用して行く企業は外国人を迎え入れる環境を整えてはいかがでしょう。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である