日本企業の本音は外国人より優秀な日本人が欲しい。
2018年9月15日土曜日
それでも外国人を雇用したい、外国人雇用に興味がある方へ。130人中6割が外国人社員で成り立つ日本企業が「コツ」と「努力」をお伝えします。【インタビュー】
*この記事はIZANAUを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
最近の外国人労働者増加に対して、
「本当に人材不足なの?」「外国人労働者は必要なの?」「日本人だけで足りてるやん」
と思っている人は多いと思います。
現に【人手不足】という言葉をテレビやネットでよく見かけはしますが、
・人手不足を現に体感している人
・興味がない人
・まったく人手不足と思っていない人
それぞれ感じ方は違うと思います。
では、本当に人手不足は進んでいるのでしょうか。
①日本の人材不足は本当に進んでるの?日本企業の本音は『日本人で優秀な人材が欲しい』
帝国データバンクが人手不足に対する企業の見解について調査を実施しました。
(参考元:帝国データバンク)
「人手不足だなぁ」と言っている企業ははたしてどれくらいあるのか、またどのような業種が人手不足なのか、数字で見てみましょう。
正社員が不足している企業 50,9%(1年前 2017年7月より5.5ポイント増加。)
業種別、正社員が不足している業種ランキング
データを見る限り、本当に人材不足は進んでいることが分かりますが、
上のデータのように人材不足と言っている企業には2つの種類が考えられます。
1:本当に人材の数が足りていない企業やお店。
2:人材の数は足りているけど、「優秀な人材」「良い人材」がいないから、又は募集で集まらないから人材が足りていないと感じている企業やお店。
これらの2パターンの企業の本音は
『日本人で優秀な人材が欲しい』
と言うことでしょう。
しかし、そのような人材はどこの企業も求めています。
そして、
『日本人で優秀な人材』を求めている企業の多くが、『日本人の優秀な人材』を獲得できていない、
と言うのが現状ではないでしょうか。
では結局どうしたらいいのか。
そこで最近急激に増えてきているのが「外国人労働者」。
『外国人の優秀な人材』はいるのに、外国人労働者を受け入れようと心から思う企業はまだまだ少ないと言えます。
ではなぜ、外国人を率先して雇用しないのでしょうか。
②人材不足と言っている企業は、なぜ「外国人労働者」を欲しい人材リストに入れないのか
「外国人労働者は必要なの?」「日本人だけで足りてるやん」という声がなぜ多いのか。
代表的な理由を4つ取り上げててみます。
1:言語の壁
2:外国人と仕事をすることへの不安
3:外国人を雇うまでにかかる費用と時間
4:そもそも外国人を良い人材だと思っていない
正直、当たり前の理由です。
そして外国人を雇用するにあたって切りたくても切り離せないことです。
それでも「外国人を雇用したい」「外国人雇用に興味がある」と言う方へ、弊社株式会社アクティブゲーミングメディア(130人のうち社員の6割が外国人)がこの4点に対して、実際おこなっている「コツ」や「努力」についてお伝えしたいと思います。
③外国人と一緒に働く時の株式会社アクティブゲーミングメディアが行っているコツ・努力【インタビュー】
*インタビューイ:株式会社アクティブゲーミングメディア代表 イバイアメストイ
1:言語の壁
・まず日本語が話せる外国人を雇うことが1番です。話せなければ日本語の学校にお金をかけてでも行かせる必要があります。
(この言語の壁に関して、以前にインタビュー記事を掲載しています。興味のある方はこちら)
・コツとしては言えることは、人事関連の全ての資料を英語にすること。
たとえN1を持っていて、日本語ができる外国人だとしても、社内規定などの日本語の資料は読む気がしないので、読みません。
分かりやすくいうと日本人がアラビア語を見ている様な感覚と、外国人が日本語を見ている感覚は同じなのです。
英語の社内規定や人事関連の資料が無いなら、外国人を雇えないと言ってもいい程、マストなことです。
他国の人を雇うと言うことは、様々な責任が発生します。
例えば、ビザを与えないといけない、日本の法的なルールを理解させないといけないから、大切な資料を英語で作成することは最低限必要なことなのです。自社で英語作成が難しい企業の場合は、翻訳会社にお願いするとすぐ作成してもらえます。
・社内のチームや部署の中で、外国人を1人ぼっちにさせないこと。
日本人の中にポツンと外国人が1人座っていることに対して、実は外国人自身も不安でいっぱいです。
積極的に話しかけてあげて、ランチに誘うなどのコミュニケーションをとってあげてください。
外国人は日本語が話せても、日本語が読めない人が多い。読み書きができない赤ちゃんみたいなもの。日本人が外国の会社で働くより、外国人が日本の会社で働いた方がアウェイ感が半端ないのです。(外国企業には多国籍の人が日本よりたくさんいます。)
日本人はそれらを理解した上で、積極的にコミュニケーションをとる必要があります。
・日本には独特な稟議書などの社内システムがありますが、外国には稟議書というものが存在しません。弊社もそうですが、日本に来た外国人のほぼ100%が稟議書というものを知りません。
はじめ外国人は必ず稟議書って何?!ってなります。
たとえ稟議書にかかわらず日本特有のシステムによって失敗をしたとしても、頭ごなしに注意をするのではなく、「外国には無いシステムがある」ということを日本人が理解した上で説明してあげた方がいいです。
2:外国人と仕事をすることへの不安
人事は基本的に、入社して来る外国人と接する立場になる上司や、外国人と同じチームになる社員を注意深く選んだ方がいいです。
正直すぐイライラする人は外国人と働くことは不向きです。我慢強い人の方がいい。
なぜなら外国人は日本人と脳の構造が違うから。医学的な意味ではないですよ。
外国人と接したことがある人は感じたことがあるかもしれませんが、正直外国人と仕事上でも仕事以外でもイライラする場面が多々あります(笑)。
例えば、
知ったかぶりをする。「はい」と簡単にいう。「すみません、理解できません」ということを中々言わない。
仕事上でやるべき事がたくさんある中で、まったく重要性の無いことに時間をかけ、やるべき大事なことができていない。つまり優先順位を理解していないということです。
時間に遅刻して当たり前。連絡もしません。もっと言うと『報告・連絡・相談』をちゃんとしません。
電話が鳴ってるのに、自分が外国人だからといって電話にでない。
と色々ありますが、文化の違いと言ってしまえばそうですが、日本で仕事をする以上、教え込む必要があると思います。
3:外国人を雇用するまでにかかる時間と費用
・国外からの外国人を雇うことはそもそも効率が悪いこと。
外国人自身も日本に来る前にいろんな不安を抱えています。
例えば、税金、給料は銀行振込かキャッシュどちらなのか、振込ならどこの銀行で口座を作れば良いのか、保険のシステム(海外と日本ではシステムがまったく違います)、日本で払った年金は海外に帰った場合もらえるのかどうか、残業システムとはなんなのか、など。
正直わたしも残業システムに関しては今だに完全には理解できないです。
「外国人が理解できていない、または理解できないという事を、日本人は理解する」必要があります。
・国内からの外国人を雇うと、かかる費用や時間は日本人と変わりません。
ただ、ビザの状況に関しては直接調べないといけないので、人事担当は調べる時間が必要ですが、1時間程度で完了できます。
4:そもそも外国人を良い人材だと思っていない
基本的に人間の能力は日本人でも外国人でも変わりません。日本、外国共に素晴らしいプロフェッショナルが存在します。
それなら、なぜ外国人が日本企業に入った途端に力を発揮できなくなる場合があるのか。
その理由は2つ。
『やる気がない』 『コミュニケーションという大きな壁がある』
『やる気がない』
外国人本人も元々やる気がなかったわけではなく、『日本に来ると仕事以外で誘惑が多い』と言った方が分かりやすいかもしれません。
「仕事をしなければならない」という気持ちはもちろんありますが、日本という異国にいる外国人は、仕事以外にも他にたくさんの人生設計や、異国での娯楽という目的が出て来ます。
つまりは自分の人生の一番大事な部分が仕事では無い人が多いということ。
でも日本人は「まず仕事!」という人が多いと思います。
その外国人と日本人のギャップはもの凄く大きいものがあります。
『コミュニケーションという大きな壁がある』
これはハンディキャップですね。社内規定を日本語でもらっても読めない、お客さんからメールをもらってもニュアンスが読み取れない。わたし(インタービューイ)は18年間日本にいても今だに、「〇〇かねる」「〇〇かねない」と言われるたびに、辞書を開きます。
コミュニケーションをとれる様に努力して、徹底的に付き合うしかありません。
向こうには日本語を覚えさせる、こっちはある程度英語を覚える、それか英語をできる人を間に置いておく。
あとやる気をどう出させるかを徹底的に考えて、仕事がそのほかの誘惑に負けないくらい面白くさせることが大事なことですね。
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以上がインタビューになります。
ここまで読んでいただいて、みなさんの思いは間違いなく
『これだけリスクがあって、外国人を雇うメリットはあるのか?』
でしょう。
その答えは、あります。
海外展開をしたければ、外国人しかできません。
技術の高いプログラマー、腕の早いデザイナー、個性が豊かなイラストレーター
(他人にどう思われるかを気にしないから良いものが早くできたりする)
問題解決がうまい
(終わりが良ければ全て良しというのが外国人だから、問題が発生したときに、あまり余計なことに気を使わず、帳尻合わせをする)
など特定の技術、日本人と違った視点や感性を持ち合わせている外国人はたくさんいます。
『本音は日本人で優秀な人材が欲しい』というのは大いに分かりますが、『外国人の優秀な人材』を入れる際の「コツ」と「努力」に挑戦してみるのも、これからの時代にとって無駄では無いといえるでしょう。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である