【入国管理局にひとこと申し上げたい】入国管理局は会社の本当のニーズを理解した運用が必要!
2018年11月3日土曜日
日本が定めている在留資格にも「隙がある」
*この記事はIZANAUを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
会社側「よし、この外国人を雇用しよう!」
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3ヶ月後
会社側「入国管理局からビザもやっとおりたし、準備も全部したし、明日から一緒に仕事をするのみ!』
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入社2日後
外国人「転職します」
会社側「はっ?!」
これはIZANAUを運営する弊社(株式会社アクティブゲーミングメディア)に本当にあった話です。
まだ社員も多くない、会社を作りたての頃は、10人程度の外国人のみの会社でしたが、そんな時に面接をしたフランス人が、採用して2日後に転職していった話です。
理由は、『大阪が自分に合わないから東京に行きます』とのこと。
東京で引き抜きがあったのです。
雇って2日間で引き抜き手配があるわけがないので、こちらが必死こいてビザの準備をし、その外国人を会社に受け入れるまでの手配をしているあいだに、フランス人の彼は転職の手続きをしていた、ということです。
あまりにもヒドイというのがこちらの本心ですが、今の日本ではこれは違法でもなんでもなく、入国管理局にこれを伝えたところで、なにも変わることもなく、外国人の在留資格になにか変化が起こるわけでもありません。
外国人、日本人問わず、個人と企業の雇用形態は対等なものです。
それは当たり前のことです。
個人に何か事情があって、「この会社は嫌だ!自分に合わない!」と思ったら、たとえ初日でも会社側に止める権利がないのは当然だと思います。
それは外国人も同じで、『ビザがその会社でおりたからずっとそこで働かないといけない』ということは無いと思います。
ただ!冒頭で述べた2日後の転職。
これは弊社が入国管理局に行ったとしても、どうしようもありません。
しかし、ビザをもらった上で会社に入って2日で転職という行為には、はっきり言って悪意があります。
しかし彼は結局東京へ行きました。
プロベーション期間もこちらは設けていましたが、逆に彼の方から会社を切って来たということになります。
今現在は、日本には外国人が会社からビザを取得してもらった際、一応の軽いルールがあります。
ビザを取得した会社で働かないといけないし、クビになったら(もしくは自分からその会社を辞めたら)他の会社で仕事に着くまでの猶予は2ヶ月と決まっています。
2ヶ月以内に転職先を見つけなければならないというルールです。
ですが、実際は結局2ヶ月後も働かず、ビザを持ったまま滞在する人もいます。
これは正直、本当に「ダメ」です。
こんなことが今まで何回かあった弊社から入国管理局にひとこと言いたい。
外国人雇用を何年もして来たわたしたちから入国管理局に切に言いたいことが2つあります。
1つめは
・入国管理局は会社の本当のニーズを理解した運用が必要。
入国管理局がやるべきこととして、
日本に来る・来ている外国人のデータを管理するだけでなく、外国人を雇用する必要がある企業のニーズを理解する必要がある。
2つめは、
・外国人にビザをおろす基準を見直す。
例えば外国人のプログラマーを雇用するとします。
入国管理局は、このプログラマーにビザを与えるか、与えないかを判断するのに、「基準」というものを設けています。
例えば、大学を出ているかどうか。
でも、ぶっちゃけプログラマーの世界では学歴はどうでもいい。
だから、学歴を見る以前に、
「その人を雇おうとしている会社が、その外国人を雇おうとしている会社がその人についてなんて言っているのか」を絶対見るべきです。
今の入国管理局は流れ作業になっていますが、これからさらに外国人が増えたらもっと流れ作業になってしまいます。
(ちなみに海外の入国区管理局はもっとヒドイですが......)
日本の入国管理局は世界1だと思います。ただ、あえて外国人経営者として言うならば、上記の2点は伝えておきたいです。
でないと、企業は外国人を雇用するまでに、
・外国人募集の広告をうつ。または自社HPなどで募集する
・外国人からの応募があれば、面接をする
・採用が決まれば、入国管理局などで正直面倒といえる手続きをし、ビザを取得する
ここまでやっても2日で転職しますとなると、どの企業でも
「は?!」
ってなるのは当たり前です。
これを今の日本の制度では「オッケー」となってしまっているんです。
言い換えると日本が定めている在留資格にも「隙がある」ということです。
11月1日の昼に議員の外国人雇用の国会審議を見ていましたが、多分というか絶対、議員は表面上で話をしています。(特に外国人雇用に反対している議員は)
本当に企業が求めているものはなんなのか、企業がなぜ外国人を必要としているのか。
もっと準備をしてから外国人を受け入れるべきだといっているけど、なら準備はいつできるのか。時期を先伸ばしたからと言って、正しい準備ができるのか。
結局いつかは外国人の労働力が必要になる。ならば、その表面上の討論をしている時間を入国管理局の制度を含め、改善しなければならないことを把握し、企業のことを理解し、修正することに時間を使って欲しいと切に願います。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である