人材不足の時代に人を探すということは、定置網をたくさん設置するような感覚で人材募集を出すということ。
2018年10月4日木曜日
社内に対して、その意識改革を発信し、「今から外国人の仲間が増えるぞ!」と大歓迎に持っていき、会社の本気度を言葉にして行動にうつし、会社全体で意識を変えていってはいかがでしょうか。
最近どこの業界をみても、
「人材が足りない」「人が欲しい」「良い人材はいないかなー......」
などの声を聞きます。また現にそう思っている人も多いのではないでしょうか。
今はまだ深刻に考えていない人もいるかもしれませんが、この状況は間違いなくこれからさらに深刻化していきます。
①どうなっていくの?!日本の人材不足
パーソナル研究所というところが掲載していたものですが、2025年に不足する労働者数は583万人に登るようです。
(出典:パーソナル研究所)
日本人の数が急激に増えることも予想できないし、今人がいないのならば3年後4年後にはさらに人がいない。そしてもっと先の将来ではさらに労働力は減ります。
となると、日本企業どんどん人手が減るばかりになってしまいます。
どうすればいいのか?
新規採用の為にお金をかけまくるしかないのか?
例えば平均給料が、新入社員を22万円で採用している会社が23万、24万払ったり、そう言う努力をしていくしかないのか?!
そんなの不可能です。
将来どこかのタイミングで、「もう払えない!!!」となります。
企業が良い雇用条件ばかり提示していくと、広告料、人件費ばかりに費用もかかります。
今から4年5年経つと、さらに状況が厳しくなっていることを実感する人が増えていくでしょう。
トヨタ、サイバーエージェント、ソフトバンクなど、いわゆる大手企業はまだ苦労なく日本人の確保ができるかもしれませんが、中小企業、さらにもっと小さい会社は日本人の優秀な人材確保に難しさを実感していくと思います。
今政府はそれを見越して外国人をどんどん導入しようとしていますが、正直外国人に頼らざるを得ない状況というのは間違いありません。
②人材紹介会社に頼りっぱなしではダメ!外国人雇用の前にするべきこととは?
では外国人を企業に入れていくにはどうすればいいのか。
ずばり、どこかのエージェント(人材紹介会社)任せっぱなしにするのは良くないです!
エージェントに頼む前にやるべきことがあります。
まず会社がやるべきことは、本気で「外国人を雇用する」と言う方針を会社の外と中、両方に対して発信していかなければなりません。
1:会社の外と中に発信
外というのは株主、メディア、クライアントなど。まわりに対して、「弊社は今から外国人を雇用する枠を作ります」と発表することでメリットがあります。
このメリットというのは、まだまだ外国人を積極的に雇用しようとしている会社が少ないなか、「うちは外国人を入れていきます」と発信するだけで宣伝効果があるということです。
「外国人をこれから雇います」と大々的に発信すると、それを拾うメディアが多いし、人がSNSでシェアをする。
これにより、外国人向けの仕事を探している外国人が、その仕事に辿り着きやすくなるという利点があります。
(ただこれは日本にいる外国人に限り、さらにはそこそこ大きい企業に限られるが......。)
中というのは人事や役員、社員などあなたの会社で働いてくれている人たちです。
「今から弊社は外国人を雇っていきますよ!」とみんなに伝える必要があります。
まず人事、そのあと社員のマインドを変える必要があります。
なぜなら「今から当たり前のように日本語を話す日本人ではなくて、当たり前に日本語を話せない外国人を雇用して、一緒に働くことになる」ということを理解してもらわなければならないからです。
これをみんなが理解していなければ、日本人と外国人を天秤にかけてしまいます。
その場合必ず日本人が勝ちます。
みんな想像できると思いますが、「この人より日本人がいいな」と思ってしまい、モチベーションも下がってしまいます。
2:「外国人を呼ぶ体制を作る1」ホームページを英語に翻訳する
まずは外と中に発信する必要性を話しましたが、次にすることは「外国人を呼ぶ体制を作る」ことです。
外国人呼ぶ体制というのは、ホームページの英語ページをつくります。
これには少し説明が必要ですが、
まず企業は「日本語を使える外国人を雇用しよう」と思うでしょう。
そして「日本語使えるなら募集も日本語でいいや」と思うかもしれませんが、それがアウトです!
日本語を必須としているポストを募集する場合でも、募集は必ず英語で記載する必要があります。(日本語と英語両方でもおっけー)
なぜなら、日本語を使える外国人でも、『仕事を探す場合は英語で探す』からです。
それでも、「日本語必須なんだから、日本語で探す人だけでいい」と思うかもしれませんが、正直それはもったいないです。
英語で仕事検索する人が多い中、優秀な人材をとり逃がす可能性もあるからです。
ここは面倒臭いと思わずに、英語での募集を取り入れてみてください。
3:「外国人を呼ぶ体制を作る2」社内の資料を英語に翻訳する
次は社内規程などの、社内のすべての資料を英語にする必要があります。
それは面接に使う資料も含めてですが、ここにも日本企業がやってしまいがちな落とし穴があります。
募集条件を日本語必須にし、日本語が使える外国人を面接する場合でも、必ず日本語と英語、両方で面接する準備をしてください。
なぜなら、日本人は外国人がちょこっと日本語を話しただけで、「この人いい!」と良く見えてしまいますが、実際の業務で英語が必要になった場合、実は英語を使いこなせない外国人もいるからです。
英語が母国語でない外国人には、英語を使いこなせない人が意外とたくさんいるんです。
海外業務を任せようと思っているならば、余計です。
その外国人があなたの会社で務まるかどうかを知るには、日本語と英語の面接を必ず行なってください。
4:定置網をたくさん設置するような感覚で外国人を募集する
外国人はどうやって日本での仕事を探すかというと、work in Japan、job in Japanなどで検索し、直接企業のホームページを訪れる、またはこのIzanauのような外国人紹介をしているメディア(人材紹介会社)です。
自社のホームページで英語、日本語で募集すると同時に、紹介サイトに登録してください。
「そんなん分かってるわ!」という声が聞こえてきそうですが、ここで是非やってほしいポイントです。
「このポストは日本人を採用して、ここのポストで外国人を採用しよう」と思っていたとしても、人材が必要な全てのポスト(部署)の募集を英語で出してください。
その理由は、「外国人は幅が広いから」です。
例えばマーケティングとプログラマーで人材を探している時に、マーケティングを外国人、プログラマーを日本人を雇用しようと考えているとします。
この場合、たとえ日本人のプログラマーを雇用するつもりでも、英語で募集を打つときにはマーケティングとプログラマー、両方を掲載した方がいいです。す。
なぜなら、「プログラマーの募集」に引っかかった外国人が、
実際マーケティングの経験があるというのは海外では十分ありえる話しだからです。
プログラマーとして入ったけど、「なんだ!君はマーケティングもできるのか!」ということがじゅうぶんあり得ます。
弊社アクティブゲーミングメディアも外国人をたくさん雇ってきて、このような状況をなんども体験しています。
「3Dモデラーとして雇用したけど、結局アニメーターとしてのレベルが日本人より高かったので、アニメーターに移った」という様な例がたくさんありました。
日本は一人一人の専門性がものすごく高いですが、海外ではキャリアをもっと広く見る人が多く、専門性というのが日本に比べると薄いです。
でも薄くても日本人よりはレベルが高かったりする場合もあります。(特に言えるのはIT関連)
日本は枠に入りすぎて硬いところがあり、専門分野以外へのチャレンジをなかなかさせてくれない会社もありますが(特に大きい会社では)、海外ではまったくそんなことはありません。
募集の広告を出すというのは、魚が引っかかる定置網を入れるようなものです。
網はたくさん置いた方が魚は引っかかります。
*Izanauでは必要な場合は英語への翻訳、ビザの取り方までお手伝いしています。
③まとめ
日本人は、「外国人と働きたくない」という人が多いと思いますが、経営者、人事担当は特にその意識を変えていくことが大事です。
外国人と一緒に働きたくないことはわかりますが、今は働く人がいなくなってきていることが現実なので、しょうがないことです。
確かに、一緒に仕事をするにあたり、面倒なことはあります。
言葉を理解してもらえない、ニュアンスを読み取ってもらえない、感覚が違う、など。
ただ、彼らはそれ以上の結果をもたらしてくれる場合がたくさんあります。
社内に対して、その意識改革を発信し、「今から外国人の仲間が増えるぞ!」と大歓迎に持っていき、会社の本気度を言葉にして行動にうつし、会社全体で意識を変えていってはいかがでしょうか。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である