これからの時代に求められる人材戦略とは！？ 大阪で行われたキックオフセミナーをレポート

[14.6.2024 編集]

2023年8月1日、グランフロント大阪で近畿経済産業局が主催するキックオフセミナーが開催された。

今回のセミナーは近畿経済産業局が主催し、人材が不足すると予測される日本においてどのように事業者たちは人材を確保し、事業を発展させるべきか、登壇した3人がそれぞれの立場から講演を行い、最後には参加者から寄せられた質問に3人が答える質疑応答が行われた。

まず第1部「人材不足に悩む企業に贈る、"万博のキーパーソン“による人材活用術」で講演を行ったのはIZANAUを運営する弊社MEYVNの関連会社である株式会社アクティブゲーミングメディアの代表であるイバイ・アメストイ氏。中小企業経営者で、日本で働く外国人の立場から講演を行った。

スペイン出身のイバイ氏は20代で来日。日本語を話すことが出来ない状態で来日したこともあり、日本での就職は苦労したという。しかし、ゲーム会社への就職が決まり、ゲーム業界での経験を経て、日本のゲームをそれぞれの国や地域に合わせてローカライズを行う株式会社アクティブゲーミングメディアを設立。現在は多くの外国人、日本人が働く企業に成長させた。

また、イバイ氏は2018年にパリで行われた大阪万博誘致活動の最終プレゼンテーションのスピーカーとして登壇し、見事誘致成功に貢献した実績を持つ。

そのイバイ氏が社長として人材を採る際に意識している3つのキーワードを挙げた。

①環境に投資し人材には投資しない→人は辞めても環境は辞めないため

②人材探しは自分で行う

③怒らない、叱らない、でも責任は持たせ、人材に愛情をそそぐ→楽しく働くことに繋がる

これまでの社長としての経験からこの3点を意識するようになったという。

さらにイバイ氏はこれからの日本の採用市場について、企業にとって厳しくなるだろうと予想し、外国人の活用が鍵を握ると話した。

しかし外国人から見た日本の労働環境の現状は、低賃金、企業文化、ビザの問題などハードルが高いという。だが日本で働きたいという海外の人材は多く、日本への興味は未だに大きいため人材の獲得のチャンスは大きいという。

イバイ氏のアクティブゲーミングメディア社は現在15に及ぶ国籍の人材が所属しており、海外人材のリクルートに関して多くの経験を持つ。そのイバイ氏が海外人材の採用で意識している3つのことを明かした。

①英語で投稿

②会社の評価コメントに必ず回答する

③外国人が使うSNSを使う

この3つを意識することで外国人求職者から良い印象を与え、多くのリーチに繋がるという。

その他にも外国人が活躍できるようにどのような工夫を行っているかなどに言及し、講演を締めた。

第2部「２０２３年最新版！人材採用・活用戦略 」では株式会社リクルートジョブズリサーチ センター長の宇佐川 邦子氏、みずほリサーチ テクノロジーズ、慶應義塾大学経済研究所パネルデータ設計・解析センターの森安 亮介氏が登壇。

宇佐川氏は人材を獲得するのに必要な戦略の立て方、見直すべきポイントなどを解説。経営課題と人材課題を見つめなおし、それぞれのケースに対応する解決策や年齢層別の傾向を解説し、これからの人材獲得に必要となることを提示し、「自分（自社）を知る、相手（人材）を知る、相手が望むことを知る」ことが重要だと解説した。

森安氏は兼業、副業人材の活用について解説。これまでのお小遣い稼ぎ的な兼業・副業のイメージから変化を遂げ、重要な業務も任せる中核人材の活用が進んでいる実態を実例をもとに解説。どのような分野で兼業、副業人材の活用が有効かを解説した。