外国人材に企業が与えられるキャリアプランと評価基準
2019年1月7日月曜日
これから日本企業も外国人を雇用することが増えるのは目に見えていますが、 このような世界を股にかける外国人材に、企業はどのようなキャリアプランを与えてあげられるのでしょうか。 また、企業として彼らの評価基準をどこにおくべきなのでしょうか。
みなさんがご存知のように、企業のグローバル化はめざましいものとなっています。
社員を国をまたいで異動させるなどの海外派遣(グローバルモビリティ)も盛んになってきている反面、
その社員たちの異動を管理している部門の人も、その外国人社員に対する
「在留資格の取得、給与、税金、社会保障、外国人社員への評価」などに対応しきれていないという現状があります。
文化や習慣の違う「他国」で柔軟に対応する能力がある外国人材は極めて貴重と言えますが、そのような外国人材は自己を過大評価してしまうという実態もあります。
これから日本企業も外国人を雇用することが増えるのは目に見えていますが、
このような世界を股にかける外国人材に、企業はどのようなキャリアプランを与えてあげられるのでしょうか。
また、企業として彼らの評価基準をどこにおくべきなのでしょうか。
1. 日本企業は外国人材に、どのようなキャリアプランを提示できるか
外国人がなぜ日本で働くことになったのか、その背景には、
「企業内の転職、出向、国内現地採用」など様々です。
優秀な人材であれば、国境を越えてのヘッドハンティングの可能性もあり、
まずは日本で働くことの明確なキャリア形成においてのメリットや、企業が何を成果として期待しているのか提示し、外国人材に理解してもらうことが重要です。
人事管理の基本といえる職能資格制度は、自己成長と専門性の追求を望む外国人材にはあまり向かないケースもあります。人事異動を通しゆっくりとゼネラリストを育成したい場合に適しています。
企業がうながした異動や就業が、外国人本人のキャリアプランに沿った配属なのかを企業側が説明できるかがポイントとなります。
ここで外国人材に十分に納得してもらうことで、将来に起こり得る双方のギャップや、不満などからの離職リスクを低減できると言えるのです。
そのために、以下4点を外国人材に伝えることをオススメします。
1:企業内重要拠点での今後ブリッジとなる高度人材を確保する為の育成を目的としている
2:プロジェクトのさらなるグローバル化を見越して一定の裁量を任せられる
3:購買力指標に基づき本国にいるより高額な給与やよりよい待遇となるメリットがある
4:帰国した際に希望すれば管理職・経営幹部へのプロモーションを望める権利がある
2. 受入先、人事担当者間、外国人材の上司との情報共有を大切にする
今後ますます増えていくことが見込まれる外国人材の採用や国際間での異動ですが、
精神的な面でのサポートも課題となってきます。
外国人材が職場でコミュニケーション上の壁を感じたり、困った時にどこに相談して良いか分からない、相談を受けた際マネージャーはどう対応すべきかわからない、など現場での課題も多いです。
「自分は正しく適切に評価されているのか?」などと、評価の公平性に不安を覚える社員も多いです。
遠く離れた本国の出向元人事担当者が就業状況を正確に把握するのは困難です。
ソフト面の問題の対応策としては、受入先の人事担当者が社員本人、上司、本国の人事担当者と密にコミュニケーションをとる、などの地道な努力が鍵となってくるでしょう。
コミュニケーションの結果、人事制度の軌道修正が必要であることが分かる場面もありえるので、その際は真摯に検討すべきです。
3. 評価基準の明確化、透明化を徹底する
・管理職が説明しやすく、わかりやすい評価制度
上司にとって評価のフィードバックは部下の今後のモチベーションに関わる、慎重な配慮が必要な責務です。
しかし、評価に対して疑問を抱く社員からその根拠の説明を求められた際、相手を納得させることができるかはとても難しいことです。
評価をする管理職にとってもクリアな評価制度であることが求められます。
・目標管理などの、成果主義的な要素を取り入れる
強いキャリア志向をもつ外国人材は、早い自己成長を求める傾向にあります。
そのため、目標管理により成果達成を透明化し、上司との1対1でのフィードバックをおこなうことで、モチベーションを向上させることが重要です。