外国人採用で必要な知識【宗教編】
2019年9月15日日曜日
今回は会社で外国人を受け入れる際に必要最低限、知っておくべき知識、宗教を背景に注意するべき点を、弊社で心がけている部分をを参考にお伝えしようと思います。
日本人は『宗教』に対する知識が圧倒的に少ない国民性があります。
日本で生活する上で、日本人にとって宗教の知識は必要ないかもしれませんが、外国人を会社で採用し一緒に働くとなった場合、日本人が思っている以上に宗教の知識というのは重要視される必要があります。
「宗教の知識といってもなにを知っておけば良いの?」
「宗教なんて難しそうだし、どこまでの知識を持っていたら良いかわからない」
弊社ではたくさんの外国人(130人中6割35カ国)がいますが、弊社にももちろん日本人もたくさんいます。
今回は会社で外国人を受け入れる際に必要最低限、知っておくべき宗教を背景に注意するべき点を、弊社で心がけている部分をを参考にお伝えしようと思います。
1:宗教について聞かないこと
まず一番大事なことは、宗教に関して聞かないこと。反対に言えば、聞くことはご法度とも言えます。必要がない限り、また相手が何も求めていない限り、聞いてはいけません。
相手が女性なら、ヒジャブなどなにか頭にかぶっていたとしても、また男性なら、例えば十字架のペンダントを飾りとして持っていても、それらを聞かないのが礼儀です。
面接の際に宗教を聞いてしまう日本の会社もあるかもしれませんが、履歴書でも面接でも、聞いてはいけません。(ちなみに履歴書で性別、年齢、顔写真を求めることなども、海外ではアウトですので、知識として頭に入れておきましょう)。
弊社の過去の記事で【パワハラ・セクハラ】外国人を雇う際に気をつける点とは?でも取り上げましたが、上記で述べたようなことを『セクハラ』と捉える外国人もいます。
日本では当たり前のことが海外に行くと当たり前では内容に、日本では『大丈夫だろう』という部分が外国人からすると『大丈夫ではない』場合があることを覚えておきましょう。
2:クリスマスという『日本式の行事』
クリスマスと言うものが日本では一種の行事かのようになっていますが、本来クリスマスというのは『宗教』の行事です。
本来キリスト教以外の人に関係のないクリスマスも、日本のように『お祝いムード』『パーティームード』のようになっている国もあるかもしれませんが、例えばイスラム教の人が会社で行われるクリスマスパーティーやデコレーションなどを、よく思っていない場合もあります。(この部分においては、難しい分野に入っていくので今回は掘り下げませんが、
イスラム圏でもクリスマスを休日とする国もあるなど、クリスマスに関して寛容な国もあります)。
日本ではクリスマスを友達や恋人と過ごすような習慣になっていますが、海外では基本的に家族で過ごします。
会社でクリスマスパーティーなどを行う場合(またその他の飲み会なども)外国人には強制的に参加させるのはご法度となりますので、参加の希望を聞くなどの対処をするようにしましょう。
3:飲みの席での配慮
日本は『飲み会』という習慣がありますが、もし飲み会に外国人が同席した場合にも配慮すべき点があります。
外国人が「お酒は飲みません・飲めません」といった場合、
「1口だけで良いから」といって日本人が進めているところを目にしたことが幾度かありますが、完全にアウトです。
宗教的にお酒を飲まない人もいる中、外国人に無理にお酒を進め『飲まないということが悪い』かのような場にするのはやめましょう。
宗教とは別になりますが、海外ではベジタリアンやヴィーガンの方も当たり前のように大勢います。最近では日本のレストランでも、「食べられないものはありますか?」と質問してくれる店舗も出てきました。
お酒のみにかかわらず、食事に関しても配慮するべきところは『日本式』を無理に強制することはやめましょう。
4:特に何もしないことが解決法
このようにザッと述べてきましたが、外国人からして、
『日本のように宗教観をあまり持たない』
『宗教を重要視しない』
ことを利点としてみている外国人も多くいるのも事実です。
このような日本人を外国人は『宗教に関して寛容性がある』と受け取れるからです。
以上をまとめてみると、外国人を採用する際に、宗教に関して気をつける点はただ1つ。
特に何もしないこと
これにつきます。
面接では宗教を聞かない。
クリスマスなど宗教がからむパーティーを行うならばしれっと自由参加にしておく。
宗教が絡む服装に関して聞かない。(向こうから話す場合は別ですが)
5:まとめ
最初から完璧にしようとすることは難しいですし、気にしすぎる必要もありませんが職場は仕事をするところ、と思ってその他のプライベートなことを持ち込まなければ問題が起こることはありません。
反対に、例えばイスラム教の人が
「ハラルのご飯を食べられるレストランはどこ?」
「お祈りをこの時間にしたいんですが......」
などのお願いがあれば、快く配慮してあげることも大切ですので、知識として頭に入れておきましょう。