【パワハラ・セクハラ】外国人を雇う際に気をつける点とは?
2018年10月16日火曜日
結論は「何もしないこと」が1番。上司というのはあくまでも仕事上での話。 職場以外のことを仕事に持ち込まない、触れないことが1番安全です。
*この記事はIZANAUを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
本当はハラスメントでもないのに、「被害者が外国人であることによってハラスメントになったケース」を2つ、過去に見たことがあります。
1つめは、宗教の話をして、次の日にハラスメントとして訴えられた。
2つめは、「お疲れ様」といって肩をたたいてセクハラとみなされた。
疑惑は信ぴょう性をもたないまま、2人は会社をやめることになりました。
以上はわたしが今までに見てきた2つの例です。
上司からハラスメントをされることはとても痛ましいことです。本当に腹立たしく、心に傷が残ります。
しかし、上司にとって部下からハラスメントを訴えられることも、同じくらいの痛みがあります(本当はやっていない場合にのみです)
今回のお題は外国人相手の「パワハラ・セクハラ」に関してです。
「ハラスメント」をきせられたら、社会的に復帰できないケースがよくあります。
さらに国籍の違う部下から「ハラスメント」と言われると、対応は余計に難しくなります。
①日本のパワハラ・セクハラ定義
1.厚生労働省によるパワハラの定義
厚生労働省の「明るい職場応援団」というサイトをもとに、パワハラの定義を見てみましょう。
【職場のパワーハラスメントとは】
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
【職場での優位性】
職場での優位性…パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせをさして使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあります。
「職場内での優位性」には、「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識、経験などの様々な優位性が含まれます。
【業務の適正な範囲】
業務の適正な範囲…業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントにはあたりません。
例えば、上司は自らの職位・職能に応じて権限を発揮し、業務上の指揮監督や教育指導を行い、上司としての役割を遂行することが求められます。
職場のパワーハラスメント対策は、そのような上司の適正な指導を妨げるものではなく、各職場で、何が業務の適正な範囲で、何がそうでないのか、その範囲を明確にする取組を行うことによって、適正な指導をサポートするものでなければなりません。
具体的なパワーハラスメント事案が発生した場合に、それがパワーハラスメントであったかどうか判断をするには、行為が行われた状況等詳細な事実関係を把握し、各職場での共通認識や当サイトに掲載されている裁判例も参考にしながら判断しましょう。
以上が厚生労働省によるハラスメントの定義です。
この「範囲」というのが曖昧なため、苦しい思い、悩ましい思いをしている方も多いのではないでしょうか。
2.厚生労働省によるセクハラの定義
厚生労働省委託事業「働く人のメンタルヘルスポータルサイト『こころの耳』」では、「セクハラ」に関する情報を提供しています。
これをもとに日本のセクハラの定義を見ていきましょう。
【職場のセクシャルハラスメントとは】
「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により解雇、降格、減給などの不利益を受けること」
又は「性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じること」をいいます。
男女雇用機会均等法により事業者にその対策が義務付けられています。
【男女雇用均等方とは】
職場における男女の差別を禁止し、募集・採用・昇給・昇進・教育訓練・定年・退職・解雇などの面で男女とも平等に扱うことを定めた法律。
1985年制定、翌86年より施行。その後、97年に一部改正され、女性保護のために設けられていた時間外や休日労働、深夜業務などの規制を撤廃。
さらにセクシャルハラスメント防止のため、事業主に対して雇用状の管理を義務付けたもの。
出典:厚生労働省
【セクハラについてのさらなる詳細】
さらに詳細を知りたい方は、以下より確認していただけます。
事業主向け:セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へ
労働者向け:職場でのハラスメントでお悩みの方へ
②外国人を雇用する際に気をつけるべきパワハラ・セクハラ
では海外におけるハラスメント事情はどうなのでしょうか?
さらに、外国人を自社に入れる場合どのように気をつければいいのでしょうか?
1.海外のハラスメント事情は日本よりも厳しい
海外では日本以上に、パワハラ・セクハラに対して厳しい目でみられます。
日本よりももっと敏感です。外国人を雇う時は、くれぐれも気をつけなければなりません。
日本の会社は以前まで個人の意見、自由をあまり尊重する文化がなかったため、今のように「なにかがあったらハラスメント」というような文化は最近出てきましたが、海外では働く人の権利をすごく守る文化が昔からあります。
「なにかがあったらハラスメント」という文化は海外では、ずっと前からあるのです。
2.具体的に何を気をつけるべきか
では具体的に何に気をつけたらいいのか。
基本的に日本でやってはいけないことは外国人にもやってはいけませんが、外国人に対しては、それ以上に気をつける点がたくさんあります。
少し例をあげてみると、
・女にお酒をつがせない。
・履歴書で年齢を聞かない。
・ボディタッチ厳禁。
・女子社員に「彼氏がいるか」などの質問をする(プライベートに関しては向こうが言いたかったら向こうから言います。プライベートについては聞かないことが1番)
・何の宗教か聞いてはいけない(面接時でも)
フレンドリーになろうと思ってやっていることが実はセクハラ、ということが外国人にとってはさらに敏感になります。
海外ではもっと厳しく、もっと繊細です。「パワハラ、セクハラされてる」とみなす境界線がとても低く、さらに平気でメディアなどの外部に言います。
3.日本の飲み文化は海外では通用しません
外国人の部下を持った時に、日本人の上司は「飲み」に誘ったりしますが、海外では上司が「飲みに行こう」と部下に誘うことはありえません。
外国人からしたら夜はプライベートの時間であり、そのプライベートの時間に誘うことは100%ないです。
歓迎会などはするところもありますが、ランチや朝食で行われます。
なので海外では、朝食ミーティング・ランチミーティングが主流で、日本のように頻繁に夜飲みに行くことはしません。
万が一、飲みに行ったとしても女性にお酒をつがせるという行為は、アウトです。また、女性にお酒をつぐこともアウトです。
女性にお酒をつぐ際には一言、飲むか飲まないかの確認を必ずすること。
また、日本は交通機関が夜まで正確に動いていますが、海外は車の通勤の人が多いという理由もあります。都会でも田舎でも、日本ほど便利なものではありません。
とにかく日本と海外では、「会社の文化が違う」ということを念頭にいれておくこと。
なので外国人の部下を持つ際、「喜んでもらおう」と思ってやっていることが、彼らからすると自分のプライバシーの侵害になっていることがたくさんあるので、本当に気をつけなければなりません。
4.文化、宗教において気をつける点
そもそもムスリムの女性には、男性は指一本触れてはいけません。
いろんな国にムスリムはいます。中国にもインドネシアでも、日本にも。余計なことをしないことが1番です。
確認をしたいからといって、面接の時に宗教を聞くこともダメです。
だから、みんなに対して触れないことが1番。
というか、それしかありません。逆にいうと、何もしなければ大丈夫です。
文化で例を出すと、スペインではお客さんに人を紹介してもらった時に、頬にキスをかわすことが一般的です。それは握手の代わりになります。
ただ、これをアメリカに行ったスペイン人が気がつかずにしてしまって、ハラスメントという言われることがあるくらいです。
日本もこれと同じように、日本では当たり前のことが他の国ではハラスメントということがたくさんあります。
5.まとめ
結論は、結局何もしないことが1番です。
ボディタッチをしない、プライベートのことについて聞かない、飲みに誘わない、プライベートについては聞かない、仕事以外の相手のことについて(宗教などを含め)聞かない。
海外は日本に比べたら本当に厳しいということを知識として頭に入れておきましょう。
外国人の部下を持つと、言葉が通じないためルーズになりがちですが、余計に厳しく敏感にしなければなりません。
プロフェッショナルな環境には、仕事以外のことは聞かない、興味を持たない、というのが1番です。
もちろん「悩みことがないのか」など聞くのは全く問題はありませんが、
上司というのはあくまでも仕事上での話。
職場以外のことを仕事に持ち込まない、触れないことが1番安全です。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である