【円買い・ドル売り・為替介入】って何? わかりやすく解説!
2022年10月8日土曜日
今回ドル売り円買いが行われた9月22日を境に、140円台まで円高になりましたが、この記事を書いている2022年10月10日現在は、結局1ドル=145円まで円安に戻ってきてしまっています。
円買い・ドル売りに踏み切った直後の神田財務大臣が「日本が本当に悲惨なぐらいに国力が落ちたら、いろんな人に助けてもらうことだってありえる」。という発言を日経新聞が取り上げていましたが、この『円買い・ドル売り』とはどういう意味なのか、またそもそも『為替・為替介入ってどういう意味なのか』を今日は簡単に分かりやすく順をおって説明してみたいと思います。
1:為替とは
2:為替介入とは
3:円買いドル売りとは
1:為替とは
為替とは本来の意味としては、現金をやり取りせずに現金の代わりに、手形・小切手・証書などで支払いを行うことです。言い換えれば、最近では主流なキャッシュレス決済や、また銀行での振り込みも『為替』の一種と言えます。
為替には内国為替と外国為替の2種類があり、文字の通り、『内国為替』が現金の代わりに、手形・小切手・証書などで決済をすませる方法で、『外国為替』が国境を越えて、異なる通貨間で行われることです。
企業間での商品の輸出入や、海外不動産への投資、外国の証券の売買、企業の海外進出などの際に外国為替が使用されます。
また、最近でや『円安・ドル高』という言葉をニュースなどでもよく目にすると思いますが、
ドルという通貨に対して、円の価値が低い状態が円安(ドルという通貨に対して、円の価値が高い状態が円高)というように通貨の交換比率を『為替レート』といいます。
2:為替介入とは
為替介入とは、政府や日銀が通貨の交換比率である「為替レート」を意図的に変える操作のことです。
例えばですが、今回のように1ドル145円台から、1ドル140円台に変えるようとすることを言います。
為替介入の目的は、為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることです。
また、その為替介入を決定、実施する権限を持っているのが財務大臣(2022年10月現在は鈴木俊一)で、日本銀行は財務大臣の代理として、財務大臣の指示に基づいて為替介入を行います。
為替介入までの流れとして、まず日本銀行は財務省に対し、為替市場に関する情報を報告し、その情報を元に財務大臣が為替か必要かの有無を判断します。
そして、財務大臣が必要と判断した場合に、日本銀行に対して具体的な指示を出し、日本銀行が為替介入を実行します。
なお、財務大臣の代理人としての日本銀行が、海外の通貨当局に為替介入を委託することもあります。
参照:日本銀行
3:円買いドル売りとは
その名の通り、『円を買って、ドルを売ること』を円買いドル売りと言います。
その指示をしているのは、先ほど説明したように、財務大臣が日本銀行に指示をして日本銀行がドルを売って円を買います。
今回のように、急激な円安が進み、145円台まで行ってしまった場合に外国為替市場で日本銀行が手持ちのドルを売って、円を買うことにより、市場に出回る円の量が減って、ドルの量が増えるため、『円高ドル安』になりやすい傾向になります。つまり、為替介入は、急激な為替レートの変化を安定させる目的があります。
ちなみに今回ドル売り円買いが行われた9月22日を境に、140円台まで円高になりましたが、この記事を書いている2022年10月10日現在は、結局1ドル=145円まで円安に戻ってきてしまっています。
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