【クールジャパンとは】 〜アニメーション・ファッション・美容・食〜
2018年7月25日水曜日
日本の経済成長を実現しようという政府の試み。しかし結局わかったことは【単純労働には在留資格はおりない】ということ。
◆クールジャパンとは?◆
クールジャパンとは、日本の内閣府「クールジャパン戦略のねらい」によると「外国人がクールととらえる日本の魅力」であり、クールジャパンの情報発信(日本ブーム創出)・海外展開(海外で稼ぐ)・インバウンド振興(国内で稼ぐ)によって世界の成長を取り込み日本の経済成長を実現しようという政府の試みです。
また、クールジャパン戦略推進会議を構成してクールジャパンに係る総合的な企画・立案・推進をしている経済産業省商務情報政策局クールジャパン政策課によると、簡単に言えば『日本の魅力的なものは全部クールジャパン』ということみたいです。
(参照:ウィキペディア クールジャパン)
このクールジャパン政策であるアニメ、ファッシ ョン・デザイン、美容、食などを学びに来た留学生の為に、日本で働くための在留資格というものがあります。
分野別で見てみると、
①アニメーション分野
②ファッション・デザイン分野
③美容分野
④食分野
この4分野を就労ビザの中に含まれる『技術・人文知識・国際業務』の分野に組み込むということみたいです。
(関連記事:企業必見!企業側が知っておくべきビザの種類)
では具体的にどのような場合『クールジャパンの在留資格』は認められるのか、具体例を見てみましょう。
法務省入国管理局:「クールジャパン」に関わる分野において就労しようとする留学生等に係る 在留資格の明確化等を元に、分かりやすく文章を変えて見ていきましょう。*とても分かりにくい具体例ですが。
◆クールジャパンの在留資格 許可具体例◆
<アニメーション分野>
条件:日本の専門学校でマンガ・アニメーション科を卒業し、専門士の称号を持っている外国人
(1)コンピューター関連サービス業務の会社で開発業務を行う。
(2)アニメ制作会社で、絵コンテ等の構想、原画の作成などの創作活動を行う。
(3)アニメ制作会社において、背景の色付け等の指導を受け、その後絵コンテ等の構成や原画の作成を行う。
<ファッション・デザイン分野>
条件:(1)〜(4)日本の専門学校でデザイン科を卒業し、専門士の称号を持っている外国人
条件:(5)大学の工学部を卒業した外国人
(1) デザイン事務所においてデザイナーとして創作業務を行う。
(2) 服飾業を営む会社においてファッションコーディネータ ーとして商品の企画販促や商品ディスプレイの考案等を行う。
(3) 服飾業を営む会社の海外広報業務を行う人材として採用された後、国内の複数の実店舗で3か月間販売・接客に係る実地研修を 行い、その後本社で海外広報業務を行う。
(4) 服飾業を営む会社において、パタンナーとして、裁断・ 縫製等の制作過程を一部伴う創作活動を行う。
(5) 自動車メーカーにおいてカーデザ イナーとして自動車デザインに係る業務を行う。
<美容分野>
(1) 本邦の専門学校において美容に関する専門課程を卒業し、専門士の称 号を付与された外国人が、海外展開を予定する化粧品会社における海外 進出準備のための企画・マネジメント業務に従事するもの。
(2) 本邦の専門学校において美容に関する専門課程を卒業し、専門士の 称号を付与された外国人が、ヘアーウィッグやヘアーエクステンション 等の商品開発及び営業販売の業務に従事するもの。
<食分野>
条件: (1)(2)本邦の専門学校において栄養管理学等に係る課程を卒業、専門士の称号を取得した外国人
(1) 食品会社の研究開発業務を行う。
(2)飲食店チェーンの海外展開業務を行う人材として採用された後、本社における2か月研修、及び国内 の実店舗での3か月の販売・接客に係る実地研修を行い、その後本社で海外展開業務を行う。
(3) 本邦の調理師養成施設において調理師免許の取得資格を得た外国人 が、農林水産省が実施する「日本料理海外普及人材育成事業」の対象と なって、5年間調理に関する技能を要する日本料理の調理に係る業務を行う。
(4) フランス国籍を有する者がドイツにおいてイタリア料理の調理師として10年間活動した後、我が国においてイタリア料理の調理に係る業 務に従事するもの。
以前の記事でも取り合げましたが、なにがなんでも単純労働には在留資格を与えず、事務職にはビザを与える姿勢のようですね。
(関連記事:外国人を雇いたいけど雇えない。単純労働とみなされる仕事にビザは降りない)
それが以下の認められないケースになります。
認められない具体例を見てみましょう。
◆クールジャパンの在留資格 不許可具体例◆
<アニメーション分野>
(1) 本邦の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、アニメ制作会社において、主体的な創作活動を伴わない背景画の色付け作業等の補助業務にのみを行う。
<ファッション・デザイン分野>
(1) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、服飾業を営む会社において、主体的な創作活動を伴わない裁断・縫製等の制作過程に行う。
(2) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、服飾業を営む会社の店舗において専ら接客・販売業務を行う。
(3) 本邦の専門学校において主に経理を学んで卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、衣料品販売店において専ら販売業務を行う。
<美容分野>
(1) 本邦の専門学校において美容学科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、美容師やネイリストとして業務を行う。
(6) 本邦の専門学校において美容学科を卒業し、専門士の称号を付与され た外国人が、海外展開を予定する化粧品会社に雇用され、同社の海外進 出準備のための企画・マネジメント業務を行うため1年間研修を行うとして申請があったが、実際には同社で同じ業務に就く 日本人は4か月で実地研修が終わるのに対し、当該外国人については店舗を替えながら実地研修をするという名目で1年間に渡って販売・接客 業務をさせる計画であったことが、審査の過程で明らかになったもの。
<食分野>
(1) 本邦の専門学校において経営学に係る学科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、飲食店チェーンにおいて3年間の滞在予定で海外展開業務を行うとして申請があったが、実際には入社後2年間は実地研修の名目で店舗での調理・接客業務に従事させる計画であったことが 審査の過程で明らかになったもの。
こういうのを『物は言いよう』と言うのでしょうね。
上記から分かることは、つまりは
上記4つの分野の中でも【単純労働とみなされるものは不許可】ということになります。
日本政府が外国人を日本に取り込もうとしていることは、このような在留資格の取得を緩和していることから分かります。これが『クールジャパン』なのかどうかは分かりませんが、とにかく小さい分野ごとにわけてでも、単純労働には在留資格を与えず、それをかいくぐって単純労働じゃないところで外国人を日本に入れようという政策と言えるでしょう。
この単純労働に関しての在留資格を補うものは今の所、技能実習制度やアルバイトでしかまかなえないと思いますが、それでは将来更に拡大する人手不足は解決できないのではないでしょうか。
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である