【カルロス・ゴーン逮捕から読み取る】海外と日本の給料事情
2018年11月21日水曜日
正直海外では、日本の物価は高いというイメージを持たれています。海外在住の外国人も「日本の給料はいい」というイメージを持っています。 でも実際は違います。日本の物価は世界基準で見るとだいぶん低いです。
カルロス・ゴーン氏が逮捕された報道が昨今流れています。
その中で取り上げられているのがゴーン氏の年収について。ゴーン氏の年収は19億円。
これに対し、ゴーン氏は『日産CEOの年収は低い』と言っていたようですが、実際はどうなのでしょうか。
今回の記事では、ゴーン氏の年収が低いことが確かなのかどうかを海外と日本のお金事情を元に見ていきたいと思います。
1:海外と日本の給料事情
マイクロソフト社の創業者、ビルゲイツの全盛期の年収は1兆6,635億円でした。
2017年の海外のCEOの年収の平均は12,1億円です。
その平均12.1億円にあたるトップ5(Median CEO pay reaches $12.1 million—here's how much the 5 highest-paid leaders earn)のランキングをみてみましょう。
5. Stephen Kaufer, TripAdvisor
2016 salary: $1.2 million (1.2億)
2017 salary: $47.9 million (47.9億円)
Pay change: +3787 percent
4. Jeff Bewkes, Time Warner
2016 salary: $32.6 million (32.6億円)
2017 salary: $49.0 million (49億円)
Pay change: +50.2 percent
3. W. Nicholas Howley, TransDigm
2016 salary: $18.9 million (18.9億円)
2017 salary: $61.0 million (61億円)
Pay change: +223 percent
2. Leslie Moonves, CBS
2016 salary: $69.6 million (69.9億円)
2017 salary: $69.3 million (69.4億円)
Pay change: -0.3 percent
1. Hock Tan, Broadcom
2016 salary: $24.7 million (24.9億円)
2017 salary: $103.2 million (103.2億円)
Pay change: +318 percent
出典:CNBC Make it
(2017年のデータです)
2:外国人からすると、日本の給料は安い。なぜなら日本の物価は低いから。
以前世界の平均年収 国別ランキングという記事を掲載しましたが、日本の給料は世界で18位です。
◆平均給料 国別ランキング◆
1位 スイス 1073万円
2位 ノルウェー 921万円
3位 ルクセンブルク 899万円
4位 デンマーク 835万円
5位 オーストリア 791万円
6位 アイルランド 767万円
7位 オランダ 685万円
8位 アメリカ 645万円
9位 ベルギー 641万円
10位 カナダ 638万円
11位 スウェーデン 624万円
12位 イギリス 614万円
13位 フィンランド 608万円
14位 オーストラリア 599万円
15位 ドイツ 547万円
16位 フランス 541万円
17位 イタリア 431万円
18位 日本 429万円
19位 イスラエル 408万円
20位 スペイン 403万円 1ドル=113円(2017年12月時)
正直海外では、日本の物価は高いというイメージを持たれています。海外在住の外国人も「日本の給料はいい」というイメージを持っています。
でも実際は違います。日本の物価は世界基準で見るとだいぶん低いです。
給料の交渉をする際に、外国人はみんな本国と比べて交渉するのです。
ここで重要になってくるのが「日本の物価は安いぞ!」とアピールすること。
上記での給料ランキングで、海外にくらべ(もちろん日本より物価が低い国もありますが)、おおよそみなさんが思いつく外国は日本の給料よりもよりも上にランキングしていたのではないでしょうか。
日本の物価が安いことを、外国人は日本にくるまで認識していません。
そして給料が安いことも認識していません。
これらをきっちり説明してあげましょう。
3:外国人はボーナス、歩合制に敏感
・ボーナスに関して
例えば雇用する予定の外国人(正社員)に、月30万円の給料で提示するとします。
その30万円を27万にし、のこりの3万×12ヶ月をボーナスとして支給する。
金額は同じでも、外国人の感動度は全く違います。それくらい、外国人はボーナスに敏感です。
・歩合制に関して
海外はチップという文化がありますが、日本にはありません。
やり方はなんでもいいので(例えば契約を〇〇件以上とる、売り上げ〇〇以上あげるなど)歩合制いれてあげると、外国人の頑張りと喜びがまったく変わります。
その際の金額自体は少しでもかまいません。有るか無いかの問題です。
日本の給料が海外より低いとはいえ、ボーン氏が行った行為はいけませんが、外国人と日本人で給料(金銭)に感覚のずれが有るのは確かです。(特に初めて日本にくる外国人は)
外国人と日本人の金額の感覚が違うということを含め、
みなさん日本企業が外国人を正社員で受け入れる際の金額の提示方法の参考になればと思います。