【実話】企業目線で転職とは?お客様を満足させられない人材紹介会社が背負う矛盾【読まないと損します】
2019年2月19日火曜日
人材紹介会社にとって『お客様』とは誰なのか?少子化が生んだオゾマシイ売り手市場について考えてみました。
*この記事はIZANAUを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
先日弊社に、とある人材紹介会社から『ゲームのPRのできるマネージャークラスの方を紹介したい』との連絡が入った。
電話で話を聞くと、その方はバイリンガルと言うことで、弊社は国内外でゲームのPRをやっていることから、「是非とも会ってみたい」ということで、会うことにした。
会ってみると結局、ありがちな話で『バイリンガル』と言っても英語が『読めるけど話せない』程度で、二次面接までは進まなかった。
この面接で実に考え深いことが起きたのだ。
今回訪問していただいたのは日本の老舗人材紹介会社。東証一部に上場していて、売り上げ規模は100億単位。
売り文句としては、『この方は英語が思ったほど流暢じゃないかもしれませんが、入社したら必ず努めます!』と優秀な営業マンに勧められ、一瞬こころに迷いが発生したくらいだ。
紹介手数料は年収の35%の金額、返金規定なしのプラン。
最終的に冷静さが働いて断ったが、肝心な話はこれから。
帰宅途中の電車で『転職しちゃえよ!』と言う看板があり、よくよく見ると、その日の午前中に営業に来た同じ会社の宣伝ではなないか。
あぁなるほど。。。
就職者に『もっといい会社がある、転職しようぜ!』と言って在庫(人材)を確保する。
一方、企業には『この人材は長く務まるよ!』とアピールし、在庫を売りさばいているわけである。
今の時代は労働人口が急激に減っていて、人材という在庫を抱えた分だけ売れる、見事な『売り手市場』だ。
でも、皮肉なことに在庫が不足するジレンマがあるから、その在庫を会社から『奪う』ことでしか確保できない。
いわゆる、会社に人を入れる。そして12ヶ月後にその人に転職を促す・・・と言う手法が、2017年ほどから成立している。
経営者としては、自分の会社の部下や仲間に転職を促すヘッドハンターは、嫌な存在だ。
これに関しては、もちろん労働者に企業を選ぶ権利があると理解しているが、いわゆる中小企業にとって、2年かけて育て上げた大事な仲間を、給料や他の条件で一本釣りにされるのはたまったもんじゃない。
場合によって、『なら、人が会社を辞めたくなるような環境を作れば良い』と平気で言うコンサルタントもいるが、中小企業がいくら環境を整えたって、例えばどのようにアマゾンやグーグルに勝てるだろうか。
実に偽善的な理屈だ。
また、昭和生まれ世代までは『石の上にも3年』と言う考え方があったが、今では石の上に1年どころか、転職が美しいとされる新しい価値観が生まれている。
これは大げさだと思う読者もいるかもしれないが、今までは就職フェアーと呼んでいたものは『転職フェアー』に進化しつつあって、まぁなんと言っても企業からすればアンフェアーなフェアーである。
これに関し、私のような考え方を持った経営者に、2つのツッコミをする人間がいる:
1:あなたの会社も他社から人を引っ張っているんじゃないのか。
2:仕方がない。どうしろというのだ。
せっかくだから、2つのツッコミに対しお答えしよう:
1:あなたの会社も他社から人を引っ張っているんじゃないのか。
→ 今までもそうだが基本的に他社に在籍している人に面接はしない。
2:仕方がない。どうしろというのだ。
→ これは人材紹介会社に言いたいことだが、在庫は他社から奪うようなことをせず、別ルートで仕入れてはどうだ。
本サイトであるイザナウの意義はここにある:日本に新たな人材を招いて、根付かせること。
紹介した人材は、3年どころか、できれば30年、お客様の会社で幸せな仕事人生を送って欲しいものだ。
作者:イバイ・アメストイ・ヴィーニャス
130人中6割が外国人社員で成り立つ株式会社アクティブゲーミングメディア代表取締役
20年間日本に住み会社を設立し、日本への恩返しという意味で、外国人人材紹介『イザナウ』を開始。
About the Author
外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である