外国人を欲しがる日本と、日本に増えない外国人【求める日本語能力】
2021年12月27日月曜日
外国人が増えたとしても、結局いい思いをするのは大企業と東京。
1:能力以上に日本語力を外国人に求める日本企業
2:そもそも外国人は必要なのか
3:根本的な問題解決にはつながらない『人材のレンタル』
4:結局いい思いができるのは『大企業』と『東京』
1:能力以上に日本語力を外国人に求める日本企業
スティーブ・ジョブズ
マーク・ザッカーバーグ
マイケル・デル
ビル・ゲイツ
彼らに共通していることは大学を卒業していないということです。
日本で就労ビザを取ろうとすると、『大卒』で無いとビザの取得が難しいという問題があります。
また現在、国は高度外国人材として海外からの研究者やエンジニアらの呼び込みを求めていますが、日本語での意思疎通を前提にした採用方針が外国人の活躍の機会を失わせている現状があります。
日本がどれだけ外国人からすると、働く上でハードルが高い国かということも、なんとなくご想像いただけると思います。
2:そもそも外国人は必要なのか
日本の高齢化が外国人を必要としている第一要因であります。
世界の人口ランキングでは日本は現在時点で11位です。
出典:worldmeter
出典:統計ダッシュボード
海外の外国人の割合は、日本は2%。以下をみていただくと、どれだけ日本には外国人が少ないかをわかっていただけると思います。
ロシア 7.7%
スペイン 9.6%
フランス 11.1%
イギリス 13.2%
アメリカ 14.3%
ドイツ 14.9%
スウェーデン 15.9%
スイス 28.9%
香港 38.9%
このような割合になります。
外国人が増えることにより発生する問題ももちろんありますが、この状況をどう判断し、どう対処していくか、今は外国人が日本に来た時に、日本に残る選択を取るような受け皿を作り、大企業のみならず中小企業にも解決できる道を切り開かないといけない段階なのではないでしょうか。
3:根本的な問題解決にはつながらない『人材のレンタル』
人口というのは一気に何千万人も減るのではなく、緩やかに減っていくものであり、これは結局病気と同じような現象といえます。
国自体はその状態(人口が徐々に減少する状態)に慣れてしまう。そして、『その状態から脱却しよう』『その状態を解決しよう』とするのではなく『その病気と付き合っていくしかない』という気になる。
外国人に関して1つ根本的に問題であるのは、やはり『言葉』です。
アジアの人はまだしも、ヨーロッパ、欧米、いわゆる高度人材が最も多くいる地域の人材は、何年日本に住んでも、日本語という言語を、なんの不便な思いもせずに使いこなせるというレベルまで持っていくには、なかなか難しいです。
また、ヨーロッパや欧米などの外国人が『日本に来て、日本に定着し、日本に骨を埋める』というのは、他の国と違って不可能に近いと言えます。アメリカに行く人たちはアメリカに将来的に残る、ヨーロッパに行く人たちはヨーロッパに残る、という方も多くいますが、日本に来る外国人たちは必ず国へ帰る、となると人材の育成というよりも、『人材のレンタル』のようなことをすることになってしまいます。
現に弊社の外国人も、国へ帰るという思いを『そもそも』持って日本にきている人が多くいます。今回政府が行った、人口減少による人手不足を補う『ビザ取得の緩和』も、違う言い方をすると『日本が外国人材をレンタルしやすくした』とも言えるでしょう。
4:結局いい思いができるのは『大企業』と『東京』
では、この『人材のレンタル』は日本のどの地域でも可能なのかどうか。
先ほど『国は人口減少を病気のように捉えることで、その病気を根本的に治すのではなく、どうその病気と付き合っていくかを考えるようになる』という表現をしましたが、企業にも同じようなことが言えます。
企業はだんだん人が減っていくということに慣れてしまいます。また、結局のところ外国人は大きい企業で働きたいという意思を持っている人が多くいます。
人材不足を一番実感している中小企業です。外国人はその中小企業で働きたいというよりも、大企業で働くための第1歩(踏み台)として中小企業でまず働く、もしくはビザの取得のために働くという外国人が多くいるため、中小企業に留まる人は多くいません。
このような理由も含め、大企業が結局一番困らないのです。
経団連などそういったところも大企業や上場企業の味方しかしないので、日本全体に本気で人を入れようともしていないし、国も本気では人を入れようとしていません。
また、東京に限って言えば外国人はこれから増えていくと思うし、人材に関する問題はないでしょう。反対に、地方はだんだん過疎化していき、だんだん人口も人材も減り、状況が悪くなっていくでしょう。
この状況に国が本気で『やばい、なんとかしないといけない』となるのが、おそらく日本の人口が8000万人を切るようなことが起こる時だと思いますが、その時は今と違って大企業の味方だけではなくて、本気でこの問題を解決しようとしている政府がでない限り、また根本的な解決を可能とする法律を作らない限り、病気は悪化していくだけであって、根本的に何も治りません。