【大切なのは言語よりも・・・】日本で働くアメリカ出身パトリシアさんにインタビュー!
2019年7月27日土曜日
これから外国人を雇用する企業、外国人を雇用している企業の方は是非一読していただきたい内容となっております。
今日は東京在住のパトリシアさんに日本での仕事や生活などについてインタビューをさせていただきました。
日本人のわたしからしても、『あ、そうなんだ』と改めて再認識させてもらえることの多いインタビューとなりました。これから外国人を雇用する企業、外国人を雇用している企業の方は是非一読していただきたい内容となっております。
ーーーーーーーーーー
パトリシア フェレッテさん
アメリカ出身
東京都在住
大学生の頃、兵庫県への留学、現在は東京でIT企業関連でお仕事をされています。
日本語学習歴は学生時代だけで7年間。
今は日本でお仕事をされ、さらに日本語に磨きがかかり、インタビュー中もとても流暢な日本語でお答えいただきました。
ーー自己紹介をお願いします。
アメリカから来ました、パトリシア フェレッテと申します。
日本語は高校生の時に勉強し始めて、大学に入っても勉強し続けて、大学では必ず『自分の勉強のために留学しないといけない』という決まりがあり、日本に1年間留学しました。
その留学期間の1年は兵庫県に留学しました。
その1年間の中で、アルバイトとして英会話の先生をしていました。
日本語はトータル6〜7年は日本語を勉強をしていると思います。
ーーこれまで日本ではどのような仕事をしましたか?
大学卒業後、愛媛県の小さな町で、公立の学校で英語の講師をしていました。
その時に『日本の田舎』を体験することができたのは、興味深いものになりました。
そのあとは東京に移って、現在IT企業のヘルプデスクの仕事をしています。
仕事内容は、本部が日本にあり、その会社の海外支店からトラブルや技術的な問題など、海外からの英語での問い合わせが来た時にそれを日本語に直して、日本の本部に渡すという仕事をしています。
楽しい部分もありますが、世界中からの英語での問い合わせになるので、ネイティブの私でも文化の違いや訛りで理解できない英語のもあります。
ーー日本語を勉強し始めたきっかけ
ほとんどの人が、アニメやゲームが好きで勉強し始める人が多いと思うんですが、私もそうです。その他の理由として、たまたま私の高校で第2言語の選択肢として色々な言語がありました。
ドイツ語、フランス語、スペイン語などと一緒に日本語も選択肢の1つでした。
それは面白いなと思って、ヨーロッパの言語ではなく、まったく別の言語を選ぼうと思い勉強し始めました。
ーー日本に来ようと思ったきっかけ
それは先ほども言った様に、大学の先生に言われたからです。大学では『留学しないといけない』という決まりがありました。
それまでは『一生日本に行く必要は無いから、アメリカで勉強しといたらいい』と思っていたんですが、結局日本に来ない限り自分が日本語をここまで話せるとも思いませんでした。
留学から一度帰国後、また日本に戻ってきた理由は、留学の時の日本での生活が楽という実感があったのと、せっかく日本語を勉強してきたので、それを使って仕事ができたらいいなと思いました。
ーー『日本の生活で楽と感じた部分』とは具体的にどの様な部分ですか?
1つは交通機関がすごく便利でした。他はモノが安いし、私がすごく和食が好きで合うので、そういう意味での『楽』です。
ーー初めて日本に仕事で在留すると決まった時に、困ったこと。あったらいいサービスはありますか?
愛媛県での、日本語講師の仕事を選んだ理由は、アメリカから日本に英語を教えに行く仕組みがもうできていて(JET)、それに申し込んで来たので、仕事を探すことやビザの手続きなどに関しては大変なことはなかったです。
それより、愛媛県から東京に移った時の方が大変でした。
英語講師の在留資格から別の在留資格を変えないといけないんですけど、まず次にどの様な在留資格に変更できるのかわからなくて。
ゲーム会社からオファーがあったんですが、それがフリーランスだったので在留資格が取れないので、どんな仕事なら資格が取れるのかをまずかなり探しました。結局今は派遣会社を通して仕事をしているのでその時にはっきりと確認でき、これで在留資格の変更が出来ました。
ビザの手続きなども派遣会社がしてくれました。
ーー企業に入った時に用意したもの、用意してもらったもの
私が個人的に準備したのは、言うとしたらスーツ。日本とアメリカの就職で違うのは、日本はきっちり黒のスーツでないといけないということ。アメリカではもう少し色があってもいいし、必ずスーツで無いといけないと言う決まりはないですし、『いい印象を与える様なものなら』と言う感じです。
それ以外は室内用のスリッパはアドバイスで持った方がいいと言われました。なので今の東京の仕事でも室内用のスリッパを履いています。今では私もそれに慣れてきてしまいました。笑
東京では
東京では自分でほとんど自分で準備していました。賃貸も自分で不動産屋に言って探しました。
それはすごく大変で、何をすればいいのか、誰に聞けばいいのか、すごく悩んでいて、誰かに相談できたらいいのにな、と思いました。
ビザや面接などは、私の場合派遣会社の担当者が準備してくれましたけど。
ーー日本で初めて仕事をしてみた感想は? (いいところ、悪いところ)
良いところはは、すごく仕事がとても分かりやすいところです。例えば朝礼などで1日の流れが分かるところ。
他でいえば、これは良いところとも悪いところとも言えますが、すごく責任を持つところです。
例えば自分が失敗があったら、周りの人にすごく謝る。また、自分が休む時も周りの人に迷惑をかけるなど、他の人を考えることはすごくいいことだと思います。
逆にそれが他の人のことを考えすぎるという意味で、悪いところとも言えます。
ーーどうやって日本での仕事を探しましたか?
私の場合は、求人サイトを使って探しました。
ーー日本で生活してみた感想(良いところ、悪いところ)
治安と交通機関と食べ物はすごく素晴らしいです。
リサイクルはとても難しいです。
あとは道路を歩いている時に周りの人を気にしてしまします。例えば電車に乗っていても大きい声を出したらいけないとか、周りの人に配慮する部分などはアメリカと大きく違います。
ーー日本企業とアメリカの企業の違い
パッと思いつくところは、アメリカだったら会社員が定時に上がったらそれはごく普通なことなんですが、日本だったら、『なんで?』ってなります。
ーー外国人で日本に仕事をしに来たい方にアドバイスはありますか?
英語のインタビューでも言いましたが、出来るだけ自分の認識をちょっと考え直して、周りの人のことを考えることが大事だと思います。
絶対自分が正しいと思っても、他の人の考え方によって勘違いが起きるので。
もし自分が正しい場合でも、それを正しいと主張することが大事なのではなくて、みんなと協力すること、プライドを捨てることが大事です。
これは日本にきて思ったことです。
アメリカではもっと個人を尊重するところがあります。なので、外国人が日本にきて一番感じるところだと思います。
ーー日本企業は英語ができない企業がまだまだ多いです。また外国人雇用に慣れていない企業も多いです。外国人を雇用したい、これから雇用する企業に対してのアドバイスはありますか?
最近無理やり善意に英語の教室を会社内でしてる企業もあると思うんですが、それは必要なくて、それよりも外国人とのコミュニケーションの方を大切にするべきです。
言語の勉強ではなくて、海外の人との接し方を考えて欲しい。
例えば日本の文化では正しいとされていても、海外ではそれがいけないこともあります。
自分の思っている知識をもっと広げることが大事です。
相手のことは失礼だと思ったら、自分にとっては失礼かもしれないけど、向こうの人は失礼では無いので、それは意図的に自分に傷をつけるつもりではなくて、何かの理由があるかもしれませんので、コミュニケーションをちゃんと取って、互いのことを理解し合うことが大切だと思います。
ーーーーーーーーーー
パトリシアさんのように、日本で働く際に、出来るだけ日本のやり方、文化によりそう努力をしながら頑張っている外国人の方もおられます。
日本企業はこれから外国人を雇用する、また雇用しているのであれば、『郷に入れば......』だけではなく、外国のことも『知識』として頭に入れておくことも大切なのではないでしょうか。