外国人を雇う時の国民年金と健康保険
2018年10月27日土曜日
基本的には日本人と同じですが、多少の例外が発生します。日本国にはよくても外国人からすると少し不利な部分が多いです。
*この記事はIZANAUを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
外国人受け入れを拡大しようとしている中、議員から慎重意見が相次いでいるようです。
出典:朝日新聞
反対意見をしている議員たちは他に具体的ないい対策を一般市民にわかりやすく説明できるのでしょうか。
今回は、日本在住の外国人が日本の保険、年金に関して。
「外国人が日本に在住する場合の保険・年金は日本に支払わなければならないの?」
「外国人を雇用する際の保険や年金手続きはどうしたらいいの?」
外国人の保険、年金についてはニュースでもとりあげられているように、賛否両論あると思います。
今回は弊社の外国人の例も参考に見ていくので、現実味がある内容になっているかと思います。
記事目次
1:外国人でも払わないといけないの?
2:外国人の国民年金と厚生年金
3:「社会保障協定」
4:「脱退一時金」
①日本在住の外国人の年金制度
1:外国人でも払わないといけないの?
日本では、国籍問わず日本人でも外国人でも
「日本に住所を有している20〜60歳の人」は一時期の在留であっても年金を払わなければなりません。
そして外国人も日本人も同じように10年以上(2018年から10年に変更)の受給資格期間を満たすと65歳年金が支給されます。
ただし!
・日本の在留が5年未満予定の外国人は母国への年金加入
・日本の在留が5年以上予定の外国人は日本への年金加入
と在留する予定の期間で母国で加入するか、日本で加入するかが変わって来ます。
2:外国人の国民年金と厚生年金
外国人の国民年金:別名基礎年金。日本在住者みんなが払わなければならない年金。
日本人が払う国民年金と考え方は同じです。
ただし、外国人の場合例外がいくつかあります。
例外1:例えば日本に来た年齢が60歳で65歳(年金がもらえる歳)までに10年払えない場合は、払わなくてもいい。
例外2:母国で5年間年金を払ってから、日本に来た。日本でこれから年金を5年追加で払えば、日本での年金は受け取ることができます。合算されて10年支払ったとみなされるからです。ただ、日本で受け取ることができる金額は、日本で払った5年分のみからの算出になるので、少し損になりますね。
外国人の厚生年金:国民年金にプラスで会社員が加入しなければならない年金
厚生年金は、どんな場合であっても払わなければなりません。
国民年金のように例外はないので、会社側は日本人に対応しているのと同じように、外国人社員にも厚生年金に入ってもらう必要があります。
3:「社会保障協定」
みなさん「社会保障協定」という言葉を聞いたことはありますか?
あまり日本人が聞きなれないのは当たり前だと思いますが、これは
「外国人が日本と母国で二重で年金を支払ってしまうことを防ぐ」
「年金が受け取れる資格(何年間払い続けたか)を計算しやすくする」
この2つの為に作られているものです。
日本とこの「社会保障協定」を結んでる国では、年金を払った期間を合算できたり、二重で払っていないかチェックしてくれたりする、ということですね。
これを日本と結んでる国は、以下の通りです。
協定が発効済の国:ドイツ イギリス 韓国 アメリカ ベルギー フランス カナダ オーストラリア オランダ チェコ スペイン アイルランド ブラジル スイス ハンガリー インド ルクセンブルク フィリピン
署名済未発効の国:イタリア スロバキア 中国
以上の国の方にとってはありがたいですが、協定が結ばれていない国の方は残念ながら以上で述べて来たような配慮はないです。
*日本年金機構(2018年8月1日)による情報です。国によっても少しずつ内容が変わって来たりしますので、詳しく知りたい方は、日本年金機構のページからチェックしていただけます。詳しく知りたい方はこちら。
*厚生労働省の社会保障協定についてチェックしたい方はこちら
4:「脱退一時金」
3であげた社会保障協定を結んでる国との方法以外に、「脱退一時金」というものがあります。
これは、
外国人が6ヶ月以上日本で国民年金、又は厚生年金保険を払っていた後に日本を出国した場合、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求することができる。
というものです。ちなみに戻ってくるお金は支払った額のだいたい半分。ただし保険料は毎年変わるので変動はありです。
(請求の仕方など、詳しく知りたい方は日本年金機構のページへ)
以上をみていくと、つまり外国人を雇う会社側がすることといえば、
・日本人と同じように外国人の社員には厚生年金に加入してもらう。
・「社会保障協定」を結んでる国の人を雇う場合は手続きをする。(手続きはこちらから)
の2点といえますね。
②日本に在住している外国人の健康保険制度
在留期間が3ヶ月以上の外国人は国民健康保険に加入する必要があります。
ただ、外国人本人がもし入らなかったとしてもペナルティがあるわけではないですが、病院に行った際に全額支払わないといけない、ということだけです。
日本人と同じですね。
ただしここでも例外があります。
それは逆に「国民健康保険に入れない人」がいるということ。
・在留資格(ビザ)が3ヶ月未満の人
・外交や公用で日本に在留している外国人
・医療目的で滞在する外国人とその帯同者(付添人)
・国民年金の際に出て来た「社会保障協定」を結んでいる国の人で、二重払いになる人(母国からの社会保障加入の証明書がある人)
以上の人は国民健康保険に加入できません。
その他詳しく知りたい方は国民健康保険ガイドをチェック!
③弊社の外国人の例
弊社の外国人ももちろん年金、保険は支払っていますが、言えることは
・老後を日本で過ごす人はまず少ない
・ほとんどの外国人は、母国で受けたいので手術(歯医者や眼科でさえも)受けるときに国に帰る
ことが多いです。
意外と思う人もいるかもしれませんが、弊社株式会社アクティブゲーミングメディアのスタッフは6割が外国人ですが、割合的に見ると、日本で将来も住む人は少ないし、大きな病気になって治療をしないといけない場合は、ほぼ母国に帰ります。
上記であげた年金や保険の制度では、外国人が日本国に払ったお金はほとんど帰ってくる金額が少ない為、不利ともいえます。
だから外国人から言いたいことは、長い年月がすぎて母国に帰る外国人が多いということは、日本は得してるよ、ということ。
議員は慎重になっているようですが、これから日本に外国人が増えるとなると、日本の政府は問題にも直面していくことは目に見えてますが、日本の経済面という大きなくくりで見ると、少なからず助かるのではないでしょうか。
About the Author
外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である