日本企業が知るべき【外国人雇用の落とし穴】
2019年7月21日日曜日
【弊社実例を紹介】会社でビザを申請しビザがおりた → すぐに『はい、さようなら』
*この記事はIZANAUを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
かなり興味深い内容のニュースがJETROで掲載されていました。
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チェコで外国人滞在法の改正法が7月16日に公布され、7月31日発効が決定した。これにより、就業カード受給者は、カード発行決定日から6カ月間は発行対象の雇用者を変更することができなくなる(注)。
これまでこうした制限は存在しなかったため、より条件の良い会社を人材派遣会社から紹介され、就業カード受給後すぐに転職してしまうケースがあった。これを防ぐ規定の法令化を強く要請していたチェコ商工会議所は、外国人の雇用手続きは通常6カ月以上かかり、企業は財政的にも多大な負担を強いられているという。過去に就業カード発給対象外国人がチェコに入国した途端に他の企業に就職したり、もともと定められた雇用者の下で数日勤務した後、転職してしまったりするケースが散見されたと説明している。
(注)ただし、会社清算・組織変更などによる雇用者側からの解雇、試用期間中の解雇、健康上の理由や雇用者による賃金未払いなどによる被雇用者の即時退職などの場合には、この規定は適用されない。
参照:JETRO 外国人就労者の転職制限、特別労働ビザ発給を新たに規定
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問題はビザを与えた後の外国人の行動
外国人雇用が拡大し、先日大阪府主催の『外国人採用セミナー』にて弊社代表イバイと社員2名で話をさせていただきましたが、企業からも定員をかなり上回る応募がありました。
日本企業の外国人の雇用に対しての興味が大きくなっていることを実感する昨今ではありますが、この外国人を雇用することにあたり、解決されていない問題点がいくつかあります。
今回は、問題点の1つである、ビザを取得した『後』のルールに関して取り上げてみようと思います。
結論から言うと、外国人を雇用した会社からビザを与えられた外国人本人は、ビザ取得後、せめてビザを与えられた期間中(在留期間)はその会社に所属しなければならないというルールがあるべきだということ。
今回上記のニュースで取り上げられた様に、この点を問題視しているのは日本だけではありません。事実、チェコでは、『ビザを取得した会社に最低6ヶ月はその在留資格が発行された会社で働かないといけない』という法律が定められました。
【弊社実例】
ビザを取得したら『はい、さようなら』
大概は、雇用する会社から外国人のためにビザを申請し、ビザを提供します。
大半、真面目に働くつもりでくる外国人はすごく多いですが、最近ではビザさえもらえたら、どんな仕事をしてもいいという外国人の応募者が多い。
極端なケースで言えば、ビザ目当てで来日して、高度人材のビザをもらったその1ヶ月後に会社をやめる方もいます。
そこで、会社側から入国管理庁に『この人は会社をやめました』と報告する流れになっていますが、退職した労働者は在留期間が残っており、他の会社に転職するか、お金に余裕があるならばちゃらんぽらんに日本で生活ができる。
つまり、会社でビザを申請しビザがおりた → すぐに『はい、さようなら』
と言うケースがあきらかに増えているのです。
事実、弊社でもこのケースが数回ありました。もちろん、労働者には自分の都合によって会社をやめる自由も必要とは理解しますが、会社側がその外国人のために、渡航費、申請費、など、大きい出費が発生することもあります。
そして、あからさまにビザがおりたその日に退職届けを出す方に対し、会社の権利がまもられていないこの状況は『法律の穴』とも言えることです。
他社で働く外国人のため経費をかけるほど阿呆らしいことはありませんから。
改善しないと、日本の会社が外国人を受け入れる数が増えないのも当然
日本の会社が外国人を受け入れ始め、必ずこの問題に直面することは目に見えています。
人には行動の自由や、仕事を選ぶ自由があります。ビザを与えた会社も、外国人を奴隷のように働かすことは間違いです。
しかし、仕事がいくらでもある昨今では、やはり上記のように『ビザを貰ってすぐやめる外国人問題』があからさまに増えました。
実例、最近外国人の面接をした際、
『どのような仕事がしたいのか』
という質問に、
『ビザをもらえたらなんでもいいです』
という回答がとても増えました。
『なんのためにこの会社にきましたか?』
『ビザの支援があるから』
日本の入国管理庁は、わたしが経験した中、世界1だと思います。
ただし、この部分だけは改善が必要です。
その会社はお金をかけ、わざわざビザをとったのに、その会社にいないなら、ビザは与えられない。
会社はお金をかけているし、渡航費まで会社が負担しているならなおさらです。
いくらその外国人に仕事スキルがある、人手が足りないから外国人が欲しい、といっても、この問題を改善しないと日本の会社が外国人を受け入れる数が増えないのも当然なのではないでしょうか。