エキスパットという名の超高度人材が選ぶ【国・給料・住みやすさ】国別ランキング
2018年12月30日日曜日
日本はエキスパットへの給料も決して良いとはいえず、さらに住みやすさでいうと、ランキングにも入っていません。 日本が高度人材を受け入れようとしている試みはわかりますが、日本全体での改善点がまだまだあることがわかります。
*この記事はイザナウを運営している株式会社アクティブゲーミングメディア(130人中6割が外国人社員)のスタッフによって作成されています。
みなさんは『エキスパット』という言葉をご存知でしょうか。
エキスパットとは海外では普通にある言葉で、ビジネス用語集によると、
グローバル展開する企業の本社や親会社等の社員で、転勤などで海外支社や現地法人で働いている人のことです。 現地従業員、現地駐在員などとも呼ばれます。 もともとは「自国を離れる」といった意味を持つ「expatriate」という英単語の略です。
日本では優秀な外国人を「高度人材」という言葉を使って現在表現していますが、
エキスパットは
『自国ではなく海外で働く超高度人材』
と思っていただけると分かり易かもしれません。
日本政府は今、高度人材を日本に呼び寄せようと努力しています。
超高度人材たちは自国ではなく、海外に行き給料を稼ぐわけですが、今回はその
エキスパット(超高度人材)がどこの国にいって、平均どれだけ給料をアップさせているのか
また、そのエキスパットが選ぶ「住みやすい国」「働きやすい国」ランキングトップ10
を見て行きたいと思います。
*エキスパット=高度人材と訳してもいいですが、今回はエキスパットいう表現を用いて書いて行こうと思います。
*今回の全ての数字、ランキングはHSBC Expat Explorer surveyの調査を元にしています。
①エキスパット(超高度人材)がどこの国で、平均給料いくらもらっているのかランキング
1位:スイス 2,029万円 約20万2900ドル
2位:アメリカ 1,851万円 約18万5100ドル
3位:香港 1,787万円 約17万8700ドル
4位:中国 1,727万円 約17万2700ドル
5位:シンガポール 1,622万円 約16万2200ドル
6位:アラブ首長国連邦 1,550万円 約15万5000ドル
7位:インド 1,318万円 約13万1800ドル
8位:インドネシア 1,274万円 約12万8000ドル
9位:日本 1,274万円 約12万7400ドル
10位:オーストラリア 1,258万円 約12万5800ドル
海外に行こうとする高度人材の目的は「もっとお金を稼ぐ」これ1点です。
これによると、高度人材は海外に仕事をしにいくだけで、2100ドル多めに稼ぐことになるというデータが出ています。
(「出稼ぎ」ではなく「高度人材」として海外に仕事をしにいくエキスパットとして)
上記のデータから見ると、基本的にエキスパットの美味しい行き先は、
スイス、アメリカ、香港、中国、シンガポールと続きます。
エキスパットの45%が海外に出て給料が上がり、28%が会社の中での役職が上がったというデータが出ています。
そして1位のスイスでは、自国よりも平均600万円も給料は高くなってます。
エキスパットの平均給料は自国で稼ぐ倍近くの年間2000万円という結果になりました。
ここで意味していることが、
「結局、超高度人材たちが日本にくる唯一の目的はお金である」
ということ。
日本で高度人材を獲得しようとしている企業は、この現実を受け止める必要があるでしょう。
②エキスパットが選ぶ「住みやすい国」「働きやすい国」ランキング
1:シンガポール
2:ニュージーランド
3:ドイツ
4:カナダ
5:バーレーン
6:オーストラリア
7:スウェーデン
8:スイス
9:台湾
10:アラブ首長国連邦
出典:Bloomberg These Are The Best Country to Live and Work - And to Boost Your Salary
ブルームバーグ(Bloomberg)
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エキスパットに聞いたところ、一番住みやすい国は、
シンガポール、ニュージーランド、ドイツ、カナダの順番で続きます。
先ほど述べた、エキスパットの平均給料1位のスイスは、住みやすさでは8番目。
この理由は「友達が作れない」「子供の育成にとてもお金がかかる」という2点でした。
これにより、生活するという観点で見ると、魅力的な都市はシンガポールと言えます。
そして、家族として楽しめる都市は7位のスウェーデン。
また、他国に行き、一番面白い経験をできる国が、ニュージーランド、スペイン、台湾という結果になっています。
そしてもう一つ注目すべき点は、女性のエキスパット。
女性のエキスパットは、平均で27%給料がアップしたというデータがありますが、
一方、役職という立場が昇進したのは25%。
男性のエキスパットの場合、昇進したのが47%なので、女性にとっては海外にエキスパットとして行くことが、そんなに魅力的ではない現状なのかもしれません。
そして、給料に関しても女性のエキスパットは男性に比べると4万2000ドル低いという結果も出ています。
③まとめ
上記の結果から見てわかることは
・エキスパット(超高度人材)と言われる人の目的はお金。
・給料が良い国と、生活しやすい国の結果は全く違う。
・女性のエキスパットへの権利を改めるべき。
という点がわかります。
日本はエキスパットへの給料も決して良いとはいえず、さらに住みやすさでいうと、ランキングにも入っていません。
日本が高度人材を受け入れようとしている試みはわかりますが、日本全体での改善点がまだまだあることがわかります。
受け入れようとしている企業は、給料面、環境面、ともに自社で出来るところから行なって行く必要があるでしょう。
人材でお困りの方はお問い合わせください:michi.tanaka@izanau.com
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外国人のプロを日本に紹介することが、私のミッションであり、宿命である